物品管理とは?物品管理の方法と物品管理と在庫管理の違いを解説!

企業などの組織の中では日々、実に多くの「物品」を取り扱ったり、使用したりしています。

企業が取り扱う「物品」には、商品や在庫、オフィス備品のみならず、PC端末などのIT機器も含まれます。

そんな物品管理をすることは、企業にとって中枢とも言える仕事で、ひとたび後回しにするととても面倒な仕事になってしまいます。

一般的に、企業が管理する「物品」には2つの種類があり、商品や製品といった在庫と消耗品や備品などの物品です。

企業活動する上で日々利用・使用している消耗品や備品などの物品管理について、在庫管理との違いや物品管理の重要なポイントなどを説明し、物品管理の基本的な手順を紹介します。

物品管理とは?

まず物品管理の対象物について考えてみます。

物品には、主に総務(庶務)が管理している社内で扱うOA機器からノートや文房具などの消耗品、机・椅子・OA機器などの機材備品(リース品も含まれます)や、社用車等が該当します。

会社の資産の管理で、何百、何千、時にはそのはるか上の物品数量を扱うこともあるでしょう。

それらの物品の何が、どこに、どういう状態にあるのかを記録・確認すること、それが物品管理です。

物品管理と在庫管理の違い

在庫管理の在庫とは、営業や製造が管理する在庫つまり製品や商品等で、こちらは経営状態を把握するためにも重要な管理すべき「モノ」です。

特に在庫の管理は、きめ細かいサービス(製品や商品)を提供しようとする事と比例するかのように、物品管理同様、 膨大な商品を記録しなければなりません。

しかも、仕入れた分だけ売れるなどと言う時代ではなく、過剰な在庫を持たないという経営が理想と言われる今の時代は、細かく管理することが必須です。

物品管理と在庫管理では対象となるモノが違うだけでなく、管理をするポイントや管理したうえでの対応に違いがあります。

物品管理を行う目的と重要性

物品の場所や数を正確に把握することで探す手間(時間)を減らし、業務の効率化を図ることができます。

仕事を効率化することで、人的(時間的)コスト削減や生産性の向上も期待できます。

物品管理はどのような目的で行い、業務において重要になるのかを確認していきましょう。

業務効率化につなげるため

物品管理の目的は、物品の所在や数量を正確に把握することで探す手間や発注する時間を減らし、業務を効率化するためです。

職場内での物品は一般的に従業員がシェアすることがありますが、正確に管理する事は、紛失や私物化を防ぐだけではなく、作業時間の節約に繋がると言えるでしょう。

また、物品の状態を常に把握しておけば、故障や破損があってもスムーズに修理へ移行でき、その結果物品を万全な状態にしておけるため、業務が停滞するのを防ぐこともできます。

業務の効率化とは、毎日の仕事をする上で「ムリ・ムダ・ムラ」を探しそれを減らしたり、なくすことでスムーズに作業できる環境にすることです。

コスト削減をするため

物品の所在や残数、状態を明確に把握=経費の見える化をする事は、不要な出費を防ぐことにもつながります。

「だれが」「いつ」「どういった理由で」使う経費なのかを明確にする事、特に文房具などの細かい消耗品などは、使用頻度と補充のタイミングを普段から習慣づけるだけでも物品の削減・ムダな物品の重複を減らせます。

ただし削ってよい物品の場合のみです。

経費が見えると削ってよい物品・削ってはいけない物品も見えてきます。

商品やサービスの質を保てる事は大前提ですし、会社の信用を下げるような事や、従業員のモチベーションを下げてしまっては生産性の低下にもなりかねません。

必要なコストを見極めるためにも適切に物品管理をすることは重要です。

セキュリティを強化するため

物品管理すべきは物品自体だけではありません。

物品が持っている「情報」も管理すべきモノになっていることから、物品管理の重要度は急激に加速しています。

個人情報の保護・データの管理、運用を適切に行っていなければならないので、当然 社内で使う重要書類やノートPC・カード、CD-ROM、もちろん鍵、印鑑など、これら現物・物品の外部への持ち出しを管理するためには、物品管理が重要になっています。

もしこれらの紛失・盗難されたことすらわからない状況であれば、業務に影響が出るだけでなく、トラブルや会社の信用問題にかかわり、会社の存続をも左右する問題になります。

内部統制に役立てるため

企業活動では経営者・従業員の行動・業務が正しいルールに則っているか、不正や重大なミスがないかを確認し、統制することが必要です。

全従業員に関わることですが、責任者は経営者ということになります。

例えば、Aのキャビネットにどの重要書類を、BのキャビネットにノートPC・カード、CD-ROMを、Cのキャビネットに鍵、印鑑などそれらをどう管理しているのか、従業員の管理の仕方がバラバラだと困ります。

そして、更に保管・管理以上に大切な事として履歴管理が挙げられます。

保管や使用の管理が内部でしっかりと同じルールで行われていて、ミスがないかが重要です。

物品管理の方法と基本的な手順

物品管理の方法と基本的な手順は以下の流れで進めていくとスムーズになります。

  1. 物品管理台帳の作成
  2. 物品を分類してラベルを作る
  3. 適切な配置を決めて守る
  4. 定期的な棚卸しの実施
  5. ルールや配置場所を周知する

ただ、社内にある備品の種類はさまざまですので、カテゴリー別に管理する備品を分けましょう。

物品管理台帳を作成する

一般的に、紙に手書きやエクセルを使って物品(管理)台帳を作成しています。

物品(管理)台帳を作成するときの項目としては、物品名・登録年月日・管理者名などを正確に入力することが重要です。

主な項目は下記のようなものがあります。

  • 物品名(備品の名前)
  • 登録日(購入日)
  • 登録数(購入数量)
  • 管理者名
  • 日付(利用日)
  • 日付(返却日)
  • 利用数量/残数(利用状況)

それぞれの会社で使いやすい項目を追加しながら、この台帳を見れば紛失・破損があってもわかるように必要な項目を管理してください。

分類してラベリングする

全員が利用するのですから誰でも使いやすいようにしなければなりません。

カテゴリーごとに使用頻度も考えて色分けするラベルを貼り付けると判りやすいでしょう。

カテゴリーや使用する頻度によって分けたり、ラベルプリンターがあればバーコード情報を一緒にすると、目視での確認も省略することができます。

もちろん、ICタグやバーコード付きのラベルなら、備品に貼りつけることで、端末でのスキャンだけで備品の情報(取得日や保管場所など)を把握できるようになります。

配置を決める

それぞれにラベルを貼ることで物品の場所が決まれば、「どこに」「いつ」「どういった理由で」などがわかりやすくなります。

故障した状態や、使い切ってしまったのか、貸し出したのか、紛失したのかなど、全体を把握し対処するためにも、台帳はいつもの場所にあることが大事です。

いつもの場所にあることにより、台帳の記載内容と目の前の備品の状態が違うことを防ぐことができ、正しく発注することができるようになります。

また、物品の置き方も、頻繁に使用するものは手前に置く、高さや奥行きを考慮し全体を視覚的に把握しやすくするといった工夫をし、使いやすい環境にすることが重要です。

定期的に棚卸をする

定期的な棚卸というと面倒と思われるかもしれませんが、棚卸を実施することでむしろ楽になります。

定期的にすることで台帳に記載されている内容と違いがないか、数量に違いがなくても交換やメンテナンスの必要はないか、もちろん使えなくなっている物品もこのタイミングで廃棄するなど、さまざまな気づきを得られます。

文房具などの少額の消耗品だけではなく、高額な機材や、会社情報・個人情報など金額にできない情報までも含めて把握しなければならないIT機器の確認のためにも定期的な棚卸が必要です。

ルールや配置を周知する

一つ一つのこと、物品の配置や物品管理台帳への記入の仕方を全員でルールとして周知する事は、効率的に仕事ができることに繋がります。

物品の置く場所や物品管理台帳への記入の仕方、発注する際のフローなどの内容をまとめ、マニュアル化することで、現場の担当者から経理部門の担当者まで全員で把握・管理できるようにします。

このルールが守られないと、データ上ではあるはずのものがない、故障していて使えない、情報漏洩により不正利用されたといった大変な結果を引き起こしてしまいますので、適切にルールを周知し、それらが守られているかを管理することが重要です。

効率的な物品管理法にzaico

物品管理台帳やラベリングなどの作業をすることで効率的に物品を管理できコスト削減につながること、物品管理のルールや物品の配置を全員に周知し定期的な棚卸をすることで常に万全な状態で業務にあたることができます。

さらに効率的に物品管理をするのであれば、「クラウド在庫管理システムzaico」の導入を検討してはいかがでしょうか。

エクセルなどを使って物品管理をする場合、数量の確認・入力し管理する作業が必要ですが、zaicoなら機器の購入や初期費用も不要で、しかもスマホでスキャンするだけなので誰でも簡単に使えて、ミスも減らせます。

物品管理をこれから始める、物品管理に課題があり効率化したい、アナログな管理からデジタルに移行したい、などとお考えであればzaicoにお気軽にお問い合わせください。