無人搬送車(AGV)という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
AGVには、無人搬送車はや無人搬送ロボットなどが含まれ、物流現場でも利用されています。
無人搬送車は1980年代に開発され、その後90年代には、様々な現場で使用されていました。
特に最近では、AIやデータ解析の技術の発展もあり、それと共に無人搬送車の普及も進んでおり、無人搬送車自体の機能も進化しています。
無人搬送車とは何なのか、という基礎的なことから、無人搬送車の活用シーンや導入のメリット・デメリットなどについて確認していきましょう。
無人搬送車(AGV)とは?
無人搬送車(AGV)とは「Automatic Guided Vehicle」の略で、無人搬送ロボットなども含めて無人搬送車と呼ばれることもあります。
この無人搬送車は工場や倉庫などで使われることが多く、人間が運転操作をしなくても自動で走行して、荷物の搬送等を行ってくれます。
また、導入される現場の荷姿に合わせて、様々な種類の無人搬送車が存在します。
この無人搬送車は1980年代に開発されたもので、当時は無人搬送車の通るルートをあらかじめ決め、そこに磁気テープなどを引き、無人搬送車を走行させていました。
つまり、当時の無人搬送車は事前に決められたルートの上しか走行することができませんでした。
しかし、近年では、AIやビックデータの解析技術が進み、自由に自立走行できる次世代無人搬送車(AMR)も登場してきています。
そのため、今までと違い、次世代無人搬送車は人間と協働する状況を想定して設計されるようになっており、機能面が大きく向上しているとともに活用の場も広がっているといえるでしょう。
無人搬送車(AGV)とAMRの違い
無人搬送車と似たような言葉に、AMRという言葉があります。
AMRは、「Autonomous Mobile Robot」の略で、自立走行型の無人搬送車を指します。
つまり、無人搬送車がさらに進化した、「次世代型の無人搬送車やロボット」のことを指してAMRと呼びます。
このAMRは、無人搬送車が決められたルートしか走行できないのに対して、自由に移動することが可能です。
そのため、無人搬送車で必要だった、磁気テープなどの走行用のガイドも必要としません。
また、無人搬送車は人や障害物を感知すると停止しますが、AMRは周囲の状況に合わせて、最適なルートを自動算出して走行します。
人や障害物に接触しそうになった場合に、減速したり回避することができます。
AMRは以上のような特長を持つため、人と作業エリアを共有していても稼働が可能になるので「人と協業できる無人搬送車」といえるでしょう。
無人搬送車(AGV)の活用シーン
無人搬送車は様々なシーンで活用が可能です。
まずは、物流センターや倉庫内、店舗のバックヤードなどです。
このような場所で、荷物の搬送、仕分けやピッキングなどを行うのに無人搬送車が活用されています。
他にもオフィス内では、エレベータと連携し荷物を運ぶために無人搬送車が利用されることもあります。
また、ホテルでは、ホテル内のレストランなどで、客席まで食器を運んだり、料理の配膳にも無人搬送車が利用されています。
さらに、商業施設や空港などでも無人搬送車が利用される例もあり、無人搬送車は様々なシーンで利用が可能です。
無人搬送車(AGV)のメリットとは?
無人搬送車を導入することによってどのようなメリットが得られるのでしょうか。
無人搬送車(AGV)の主なメリットを確認していきましょう。
レールなどが不要になる
無人搬送車は機種によっては磁気テープを敷く必要はありますが、コンベアを敷いたり、レールを設置する必要はありません。
レールやコンベアは、設置スペースを確保することが大変ですし、さらには一度レールなどを敷いてしまうと、ルート変更することも困難です。
特に搬送距離が長ければ確保すべきスペースも大きく、ルート変更する際の影響も大きくなります。
しかし、無人搬送車の場合は、レールなどが不要なため、ルート変更などにも柔軟に対応できます。
作業者の負担軽減になる
現場で作業するのは当然、人間がメインとなります。
しかし、人間である以上、その日の体調や、疲労の蓄積などにより、作業効率はどうしても低下してしまうこともあるでしょう。
さらには、気候やモチベーションなどによっても作業効率は変化します。
また、工場等での作業には、製品への価値を生む作業と生まない作業があります。
運ぶ作業は当然必要ですが、運ぶ行為自体で製品に付加価値が付くことはありません。
このような環境に無人搬送車を導入すれば、作業者の負担を減らせます。
当然、無人搬送車は機械なので疲れることはありませんし、疲労がたまることもありません。
体調を崩すこともなければ、モチベーションによる影響もありません。
しかも、「運ぶ」という作業を無人搬送車に任せることにより、人間は「モノを作る」という価値を生む作業に専念できるようになるでしょう。
人為的なミスの削減につながる
作業をするのが人間であれば、「ミスがゼロ」ということはあり得ません。
人間はどんなに作業に慣れて、熟練度が上がってもミスをなくすことはできません。
例えば、倉庫や物流センターで、ピッキングしたり仕分けをするにも、人間の手によるものであればミスをゼロにすることはできないでしょう。
このような作業を無人搬送車に任せれば、ミスをゼロにすることができます。
無人搬送車の設定さえ正確に行えば、人為的なミスを削減できるのも導入の大きなメリットです。
コスト削減効果
無人搬送車を導入することによって、作業にかかる人件費や、作業を教えるための教育費用などを削減できますし、作業者の採用コストも削減することが可能です。
さらには、無人搬送車ならば、作業着なども必要ないので、このような備品のコストの削減にもつながります。
無人搬送車の導入に費用はかかるものの、長期的に見れば様々なコストの削減につながる点は大きなメリットといえるでしょう。
無人搬送車(AGV)のデメリットとは?
無人搬送車を導入することによって得られるメリットは多くありますが、その一方で、デメリットもあります。
最大の無人搬送車(AGV)のデメリットと言えば、導入コストです。
無人搬送車を導入してコスト削減をするためには、まずは大きな投資が必要となります。
さらには、無人搬送車を導入するためには社内の作業手順なども見直す必要があるかもしれません。
導入のコスト以外にも、このような作業を見直す工数も費用として掛かります。
また、無人搬送車を導入したからといってすぐに生産性向上などの効果が出るとは限りません。
想定していなかった問題が発覚することもあるので、問題を改善していく工数もかかる場合もあるでしょう。
このように無人搬送車導入に際しては、多くのコストがかかりますが、導入による効果は長い目で見れば確実にあるものです。
しかし、安直に導入をすることは難しいものですし、導入の際にはじっくりと検討して適切に進めることが求められるでしょう。
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