冷凍倉庫とは?冷凍倉庫の温度などの基本知識と冷凍倉庫の選定ポイント

物流の技術が進歩したことにより、温度管理が必要な商品も、クール便などで長距離配送が可能になりました。

そのおかげで、私たちは自宅に居ながら御当地食品や生鮮食品、スイーツなどを楽しむことができます。

また、スーパーやコンビニに行けばいつでも便利なレトルト食品や冷凍食品を購入できるようになりました。

このような、冷蔵・冷凍品に関する物流を支えているのが冷凍倉庫です。

冷凍倉庫とは何なのかということから、冷凍倉庫のメリット・デメリットや選定のポイントを確認していきましょう。

冷凍倉庫とは?

倉庫というと、単に「商品などを保管しておく場所」というイメージが強いかもしれません。

しかし、物流における倉庫とは、ただ商品を保管するだけでなく、荷役や梱包、流通加工などのサービス機能も備えていたり、これらのサービスを効率的に行うための情報システムも導入されています。

このような機能を持つ倉庫を物流倉庫と言います。

そして、物流倉庫の中でも特に、冷凍した商品を扱える倉庫を冷凍倉庫と呼んでいます。

冷凍倉庫の保管温度

物流は保管する商品の特性に応じて、4つの温度帯に区分されます。

その温度帯とは、以下の4区分です。

  • 常温
  • 低温
  • 冷蔵
  • 冷凍

このうち冷蔵・冷凍区域で保管される倉庫をまとめて冷蔵倉庫と呼ぶのが一般的です。

冷蔵倉庫の保管温度帯は下記に示すようにC3級〜F4級まであります。

  • C3級:+10℃以下~-2℃未満
  • C2級:-2℃以下~-10℃未満
  • C1級:-10℃以下~-20℃未満
  • F1級:-20℃以下~-30℃未満
  • F2級:-30℃以下~-40℃未満
  • F3級:-40℃以下~-50℃未満
  • F4級:-50℃以下

このうち、特に-20℃以下のF級の保管温度帯の倉庫を「冷凍倉庫」と呼びます。

冷凍倉庫のメリット

冷凍倉庫を利用するメリットは、まず廃棄ロスを減らせることです。

例えば、「予定の注文が無くなった」「災害などが起きて道路が封鎖された」などの理由で発送ができなくなっても、冷凍倉庫ならば廃棄せずに保管が可能です。

また、冷凍倉庫では、常温では劣化してしまうような商品も、品質を保ったまま保管できます。

そのため長期保管していても、新鮮な状態で商品を消費者に提供できるようになります。

ただし、冷凍品の温度管理を自社にて行う場合は、冷凍用の設備から倉庫管理のノウハウが必要です。

そこで有効なのが倉庫業務のアウトソーシングです。

倉庫業務をアウトソーシングすれば、自社のリソースを本来のコア業務に割り振ることもできます。

そのため冷凍倉庫を利用する場合、倉庫業務アウトソーシングの検討も重要です。

冷凍倉庫のデメリット

一方、冷凍倉庫にもデメリットはあります。

冷凍倉庫は常温の倉庫と比べ、コストが割高となることです。

コストが割高となる理由は、冷凍倉庫内の温度を一定に保つため、温度調整システムが必要で、24時間稼働させなければならないからです。

さらに、倉庫での作業者の人件費も必要になります。

-20℃以下での作業となるので長時間続けて作業することが難しく、夏場などは外との気温差も作業者の負担となります。

通常の倉庫と比べて温度が低い中での作業となるため、作業員の負担も大きくなるので待遇面も通常よりも高く考慮する必要があるでしょう。

冷凍倉庫のレンタルに必要な費用

冷凍倉庫は商品などを保管するだけでなく、物流倉庫としての機能(荷役、梱包、流通加工、情報システムなど)を備えています。

そのため、レンタル費用も保管料だけでなく、様々な項目に細かく分類され設定されています。

レンタル費用は大きく分けて、固定費と変動費に分かれています。

冷凍倉庫のレンタル費用について確認していきましょう。

固定費

固定費とは、「預ける荷物の量(占有面積)に応じて、毎月一定額かかる料金」のことを指します。

具体的な固定費には、保管料、業務管理料、システム利用料があります。

保管料とは、商品を保管するスペースに応じてかかる費用です。

倉庫会社によって、「坪貸し」「棚貸し」「パレット貸し」など料金形態は様々です。

業務管理料とは、倉庫内での商品管理に必要な手数料のことです。

システム利用料とは、倉庫に導入されているWMSの利用料金です。

WMSとは、Warehouse Management Systemの略で、このシステムにより、入出庫状況や、在庫管理、出荷の状況などが瞬時に確認できます。

現在の物流倉庫において、WMSのような情報システムは必要不可欠となっています。

変動費

変動費とは、商品の「移動回数」に応じてかかる費用です。

具体的な変動費には入庫料、検品料、出庫料、梱包料、配送料などがあります。

入庫料とは、商品を受け入れた後に仕分けし、保管場所へ移動させるためにかかる費用です。

検品料とは、入荷後の数量や品質の確認にかかる費用です。

通常はこの検品時にバーコードをヒットさせると、WMSに商品情報が登録されます。

また、バーコードがない場合には、別途追加料金がかかる場合があります。

出庫料とは、依頼のあった商品を保管場所から取り出す際にかかる費用です。

ピッキング料と呼ばれる場合もあります。

梱包料とは、出庫した商品を運送会社に引き渡すため、段ボールなどを使って梱包する際にかかる費用です。

配送料とは、梱包後の商品を依頼された場所へ配送するための費用です。

宅配便などを利用する場合は、距離に応じた配送料が必要となります。

冷凍倉庫の選定のポイント

自社の商品を冷凍倉庫に預けたい場合、どのように選定すれば良いのでしょうか。

冷凍倉庫の選定のポイントを確認していきましょう。

冷凍品を適切に管理できるか

冷凍品は保管温度など適切な管理ができなければ、消費者からのクレームにつながり信頼を失います。

そこで「冷凍品を扱った実績があるか」を確認することが非常に重要です。

ホームページを見たり、担当者に確認しましょう。

特に自社の預けたい商品と同じカテゴリーの商品を扱っている業者に委託できると、より安心です。

例えば冷凍食品を預けたい場合は、冷凍食品を扱った実績のある業者を探しましょう。

トラブル時のサポートがあるか

トラブル時のサポートがあるかも非常に重要です。

中には土日や祝日のサポートを受け付けていない業者もありますが、冷凍食品を扱っている企業は、土日・祝日も稼働していることが多いです。

例えば金曜日の定時後にトラブルが発生した場合に、土日丸々連絡がつかなくなってしまえば、トラブル解決に時間がかかってしまいます。

さらに、その間にトラブルが深刻化してしまう可能性もあります。

もしもトラブルが原因で、物流が止まってしまえば、関連する企業の業務全てに影響が出てしまいます。

また、委託料が安い業者の場合、トラブル時のサポートがメールのみの受付であったりする場合もあります。

トラブル対応への遅れは、後々、大きな損失につながるので、ヘルプデスクがあるなど、しっかりとサポート体制の整った委託先を選びましょう。

コストは見合っているか

コストはどうしても安く抑えたいと思いがちですが、それと共に大切なのは、「自社の求めるサービスを提供してくれるか」ということです。

コストがいくら安くても、要求を満たせなければ、自社で対応しなければならないことが増えたり、トラブル対応などに手を取られたりと、問題が発生します。

そうなれば、逆に委託前よりもコストがかかってしまうことさえあります。

コストだけにとらわれずに自社の求めるサービスを提供できるかを、しっかりと確認しましょう。

委託する業務を明確に

冷凍倉庫を選定するにも、どこまでの業務を委託するのかを明確にすることも重要です。

全ての物流に関する業務を委託すると、自社で行うよりも効率が悪くなってしまう可能性もゼロではありません。

自社が不得意な部分をしっかりと洗い出し、その不得意な部分を委託できれば効率化を進められるでしょう。

例えば、トラックは自社便があり、ピッキングも自社でできるならば、保管に特化した委託先を選ぶのが良いでしょう。

また、自社便を辞めて共同配送したいのならば、配送も請け負える委託先を選ぶ必要があります。

自社でどこまで対応し、どの業務を委託すべきなのかをしっかりと明確にしておきましょう。

冷凍倉庫の利用や運用にもzaico

在庫管理に課題を抱えているならば、保管に関して信頼のおける業者を探して、業務を委託することも有効ですが、その際に重要になるのが在庫管理システムです。

冷凍倉庫などの委託先とも連携できる在庫管理システムがあれば、より効率的に業務を進めることができます。

冷凍倉庫の利用を考えていたり、冷凍倉庫の在庫管理の改善を進めたい場合は、「クラウド在庫管理システムzaico」の導入をご検討ください。

zaicoはさまざまな企業や場所で多様な利用のされ方をしている在庫管理システムであり、無料から始められ、各種有料プランも無料で試す事も可能です。

冷凍倉庫の利用を考えている、在庫管理について改善をしたい、効果的な在庫管理システムを探しているのであれば、お気軽にzaicoにお問い合わせください。