備品持ち出し管理表とは?持ち出し管理表を使った備品持ち出し管理のポイント

もし持ち出した備品に紛失や盗難があり、機密情報が漏洩してしまったとしたら、会社は甚大な損害を被る可能性があるため、そのような事態は避けねばなりません。

備品の持ち出し管理を適切にするにはどうすればいいのでしょうか。

社内備品の持ち出しリスクについて検証するとともに、備品持ち出し管理表の活用法や会社備品の持ち出しを行う際の適切な管理方法について確認していきましょう。

備品の持ち出し管理は必要なのか?

まず、会社が保有する備品にはどのようなものがあるのでしょうか。

パッと思いつくところでは、デスク、椅子、パソコン、キーボード、モバイルWi-Fi、文房具などが挙げられるかもしれません。

もし会社でテレワークを本格的に導入・実施していく場合、テレワーク勤務者がこれらの備品の中から社外に持ち出して利用するものも出てくるでしょう。

また、業務で日常的に備品を持ち出して作業をするケースもあります。

業種や職種により備品の持ち出しの頻度や内容は多種多様で異なる部分がありますが、いずれにせよ、適切に持ち出し管理をしなければ業務に支障が出てしまいます。

さらに、持ち出し管理に不備が生じれば、セキュリティリスクが生じたり、トラブルに発展する可能性もあるので、適切に備品の持ち出し管理をすることが求められます。

備品の持ち出しによるリスクとは?

会社の備品を持ち出すことには、いくつかのリスクが伴います。

備品の持ち出しリスクにどのようなものがあるかを確認していきましょう。

セキュリティリスク

外部に持ち出したり、外部で使用することで社内のセキュリティから漏れてしまう場合があります。

Web関連のものであれば、危険なサイトへのアクセス、外部からの怪しいメール受信、さまざまなアプリケーションのインストール機会などが増えると、ウイルスの侵入を許すリスクが高まってしまうかもしれません。

また、情報の収受を行うUSBメモリなどにもウイルスが混入する可能性があります。

こうしてウイルスに感染したパソコンやUSBを社内ネットワークに接続することで、ホストコンピュータに感染が広がってしまうリスクが高まってしまいます。

破損・紛失リスク

USBメモリをバッグなどに入れて持ち運ぶ際、何らかのアクシデントによって破損・紛失するおそれもあります。

Yシャツの胸ポケットにUSBメモリを入れたまま気づかずに洗濯してしまったり、バック内で飲み物がもれてしまいバッグ内のUSBのコネクタ部が長時間浸水したり。

水に浸かると認識しなくなることがあります。

破損の場合は、元データは社内及び自分のパソコンに残っていることが多いですし、専門業者に依頼するなど修復方法もあるのでまだ被害が少ないかもしれません。

USBメモリの紛失にも気を付けたいものです。

もしも、カバンごと置き忘れた場合、一緒に入れていた名刺などがあれば持ち主が特定されてしまいます。

そうなるとデータの属性が第三者にも容易に判別でき、最悪の場合、競合会社に売り渡されるなどのリスクも出てきます。

盗難リスク

破損・紛失もリスクがありますが、盗難にも細心の注意を払いましょう。

テレワーク時に気分を変えて仕事をしたいと思い図書館や喫茶店などに行った際や作業中トイレに行って机に戻ってみたらノートパソコンがなくなっていた、といった事態も起こるかもしれません。

また、不特定多数の人が出入りするスペースでは、どんな人が後ろから画面情報を見ているかわかりません。

その情報が喉から手が出るほどほしいものだったり、高く売れるとみなされるものであったりすれば、盗難リスクも当然高まります。

営業情報や個人情報などの盗難は、利用されてしまうケースも十分に考えられます。

漏洩による社会事件へと発展すれば、損害賠償請求、相手企業・団体との取引停止、信用低下などにもつながりかねないため、それを防止できるような管理体制が構築できればベストです。

備品の持ち出し管理の方法

テレワークの導入・実施のためには、会社の資産を大切にする意識を会社と社員の間で共有する必要があります。

その具体的な取り組みの一つに、備品の持ち出し管理を最適化していく方法が挙げられます。

効率的な備品の持ち出し管理方法について確認していきましょう。

各備品管理者(管理部署)の明確化

備品管理の適切化・厳格化を強化するための第一の有効策としては、管理担当者を明確にすることが挙げられます。

備品といってもいろいろあるので、たとえばデスク・椅子の担当者はAさん、パソコン・キーボード・モバイルWi-Fiの担当者はBさん、文具類の担当者はCさんのように分けておくとよいでしょう。

そして、各担当者は何かトラブルや事故が発生した場合、すばやく的確に処理し、解決できる体制の整備・構築に努めるようにしましょう。

持ち出しルールや承認フローの作成

備品管理担当者は、備品を持ち出す際のルールを取り決めておくことでより適切な備品管理を行うことができます。

具体的には、

  • 備品は自宅以外では使わない
  • 会社で支給する以外のUSBメモリは使わない
  • 持ち出し期間は1ヶ月を超えないようにする

など、セキュリティ意識の啓発や公私混同の防止につながるルールを作っておきます。

また、備品管理担当者は申請・承認フローの作成・発行も行うとよいでしょう。

申請・承認フローとは要するに誰が申請して、誰が承認し、誰が確認したかということを明確に示す書式のことです。

申請・承認フローでは少なくとも管理者が確認者となるようにし、必要に応じて組織上長の承認も取るようにしましょう。

備品の持ち出し管理表の作成

備品管理担当者は、「備品の持ち出し管理表」を作成すると情報が可視化されて便利です。

これにより持ち出し状況をより的確にかつ迅速に把握することができます。

備品の持ち出し管理表には、持ち出したときの日付、品名、利用場所などの項目を設けておきます。

そして利用者に回答してもらうようにします。

備品の持ち出し管理表に必要な項目

備品の持ち出し管理表では以下のような項目を設けておくとよいでしょう。

備品の持ち出し管理表に必要な項目(案)

  • 管理番号:履歴を追うときなどに時系列で番号をつけていくのがオーソドックスな方法です
  • 持出日/持出時刻:持ち出した日時は必ず明記しておきましょう
  • 品名/数量:何をいくつ持ち出したかは正確に申告してもらう必要があります
  • 利用場所:どこで使うかは管理者の重要なチェックポイントとなります
  • 利用目的:備品を持ち出して使うための正当な理由があるかをチェックするのも管理者にとって重要な仕事となります
  • 持出者名:持ち出した人の名前は必ず明記してもらいましょう
  • 所属部署:部署明記は勤務者の業務に必要な備品が適切に持ち出されているかの判断材料となります
  • 返却予定日:備品は会社の資産です。

    持出者が備品を自分の所有物だと勘違いすることのないよう返却予定日を決めてもらいましょう

  • 返却確認日:備品が戻された日付は必ず明記しておきましょう
  • 承認者:部署の上長が適任です
  • 確認者:備品管理担当者が適任です

備品の持ち出し管理で気をつけるべきこと

備品は会社の大切な資産です。

備品管理者が備品の在庫数を適切に管理し、出入りをチェックしていることが社員全体に認識されれば、より備品の持ち出しに対する意識は高くなるでしょう。

そして備品持ち出し管理表の存在を周知してください。

また、備品を持ち出す際は、備品持ち出し管理表を記入してもらうよう協力を依頼しましょう。

備品が多系統、多種にわたる場合は、備品の系統・種類ごとに持ち出し管理者をあらためて選定するとよいでしょう。

そして、各管理担当者に持ち出し管理表を管理してもらいましょう。

持ち出し管理表担当者は記入事項に漏れや不備がないかをきちんとチェックするよう心掛けてください。

備品の持ち出し管理表よりも効果的なzaico

持ち出し備品の管理は多系統、多種になるほど、煩雑化し、管理者の混乱を招きやすくなります。

備品が多ければ、一人では管理は難しく、かといって多人数になれば管理の基準にばらつきが出てきます。

より効果的な備品管理をしたいとお考えの場合、「クラウド在庫管理システムzaico」の利用をご検討ください。

zaicoは本来、在庫管理に使われるものですが、持ち出し備品の管理にも活用することができます。

zaicoに前もって品名、画像、QRコードなどの備品情報を登録しておけば、備品が今、どこにあり、どのような状態であるのかといった情報がPCやスマホ上ですぐに把握できるようになります。

zaicoは無料から始めることができ、有料プランの31日間無料トライアルもあり手軽に始められます。

備品の持ち出し管理の効率化や改善をお考えの場合は、お気軽にzaicoにご相談ください。