出荷ミス対策(誤出荷対策)とは?誤出荷の種類や出荷ミス対策の内容

受注後、出荷指示・ピッキング・検品・梱包といったさまざまプロセスが必要な出荷作業にはミスがつきものです。

しかし、出荷ミスが防ぎきれないからといって出荷ミス対策(誤出荷対策)を行わなければ、出荷ミス(誤出荷)を繰り返しかねません。

出荷ミス(誤出荷)の種類や、具体的な出荷ミス対策(誤出荷対策)について確認していきましょう。

種類に応じた出荷ミス対策(誤出荷対策)が必要

出荷ミス(誤出荷)にはいくつかの種類があります。

出荷ミスの種類に合わせて出荷ミス対策(誤出荷対策)を実施すれば効率よく改善することが可能ですので、まずは出荷ミスの種類を確認していきましょう。

商品の誤出荷

商品の誤出荷は、注文されていない商品を送ってしまう出荷ミスです。

色・柄・サイズなど、商品パターンが多い衣類や雑貨などで起こりやすい出荷ミスとされています。

数量の誤出荷

2点の注文に対して1点しか出荷しなかったり、反対に注文数以上を出荷してしまったりした場合は、数量の誤出荷になります。

薄くて重なりやすい布製の商品や、プラスチック包装によって静電気が発生しやすくなっている商品は、数量の誤出荷が発生しやすくなります。

また、1ケースを1点と見間違えて配送してしまうといったケースも、数量の誤出荷にはよくある例です。

宛先などの配送に関する誤出荷

誤った住所に配送してしまった、冷蔵品を常温で配送してしまった、などの場合は配送に関する誤出荷になります。

配送に関する誤出荷は、注文者の送り状を交互に貼り間違えてしまうテレコ出荷をしてしまったり、注文情報を送り状に入力・転記する際にミスをしてしまったりする場合に起こります。

また、なかには、配達員の仕分けミスによって誤出荷が生じるケースもあります。

納品書などの同梱物の誤出荷

同梱物の誤出荷は、納品書・商品レビューのプレゼント・メッセージカードなどの入れ忘れや入れ違いによって起こる出荷ミスです。

商品に間違いがなければ大きな問題にならないようにも思えますが、納品書の入れ間違いに限っては、個人情報が流出するおそれのある重大な出荷ミスになりますので、注意が必要です。

検品不足による誤出荷

検品不足による誤出荷とは、汚れや破損がある、または賞味・消費期限が切れている商品を誤って発送してしまう出荷ミスのことです。

食品に関しては、お客様からの信用低下につながるだけでなく、お客様の健康を損なうおそれもありますので、より慎重な検品が必要です。

出荷漏れ

出荷を忘れてしまっていたり、配送依頼後に配達員が荷物の積み忘れ・積み残しをしてしまったりする場合も、誤出荷として扱われます。

こちらのミスではない場合もありますが、対応が必要になる場合もあります。

出荷ミス対策(誤出荷対策)が必要な理由

何もしなければ出荷ミスは減らず、リスクは増す一方ですが、適切な出荷ミス対策・誤出荷対策を実施することができればさまざまなリスクを軽減することができます。

出荷ミス対策(誤出荷対策)が必要な理由を確認していきましょう。

損失を出さないため

損失を生まないためにも出荷ミス対策は必要です。

正しい出荷ミス対策を行えば、在庫の再確認や返品対応を行うための手間や人件費、返品交換にかかる物流コストの損失を防ぐことにつながります。

ピッキングミスを減らすため

商品そのものの誤出荷や数量の誤出荷は、ピッキングミスによって発生することが多いはずです。

出荷ミス対策を実施すれば、ピッキングミスだけでなく、商品入荷時に起こる仕分けミスの軽減にも期待がもてます。

出荷指示のミスを減らすため

出荷指示者と梱包作業者が異なる場合は、出荷指示のミスによる誤出荷も起こりやすくなります。

正確に伝えたつもりでも、伝え漏れをしていたり、正しく伝わっていなかったりということはよくありますので、ヒューマンエラーを軽減するためにも出荷ミス対策は重要です。

出荷業務の属人化を解消するため

出荷作業を特定の従業員が行っている場合、担当者の不在や退職によって、出荷ミスが増えてしまうのはよくあることです。

在庫管理や倉庫管理のシステムを導入するなどして、業務の標準化を図ることができれば、出荷ミスが減るだけでなく、属人化の解消にもつながる場合があります。

個人情報を漏えいさせないため

物を送る際、住所・氏名・連絡先などの個人情報の取り扱いは必至です。

しかし、伝票の紛失や貼り間違い、納品書の入れ違いなど、取り扱い時に不足があれば個人情報は簡単に流出してしまいます。

誤って漏えいさせた個人情報を悪用する受け手がいないとも限りませんので、会社の信用を守るためにも、出荷ミスが続いている企業は早めに対策を講じましょう。

出荷ミス対策(誤出荷対策)の内容とポイント

出荷ミスにはたくさんの種類がありますが、適切な対策を講じることができれば出荷ミスを最小限に抑えることが可能です。

出荷ミス対策(誤出荷対策)の内容とポイントを確認していきましょう。

ロケーション管理を徹底する

出荷ミス対策としてまず初めに行いたいのは、ロケーション管理の徹底です。

ロケーション管理とは、棚や棚の段、平置きした床などに英数字などで番号(ロケーション)を振り、どの商品がどこに保管されているのかをわかりやすくする管理方法のことです。

まだロケーション管理を行っていない企業があれば、保管場所を整理整頓し、ピッキングミスを減らすことを意識したロケーション管理をスタートしてみましょう。

すでにローケーション管理を行っているにも関わらず、出荷ミスが起こっている場合には、ロケーションの見直しをおすすめします。

商品同士が混ざりやすくなっていないか、類似商品を近すぎる場所に保管していないかなど、自社で頻発するピッキングミスに合わせたロケーション作りを行ってみてください。

マニュアルを作成する

出荷は、注文を受けた後、出荷指示・ピッキング・検品・梱包などの長い道のりを経ることではじめて行うことができるものです。

この一連のプロセスのなかで、出荷ミスを最小限に抑えるために必要になるのは、わかりやすいマニュアルです。

全体フローやプロセスごとのポイントを記し、誰もが迷わず作業を進められるようなマニュアルを作れば、属人化解消や新人の教育時間削減にもつながりますので、マニュアル未作成の企業はぜひ作成を検討してみてください。

広いスペースで作業する

単純な方法ですが、出荷の作業スペースを広くするだけでも十分な出荷ミス対策になります。

複数の出荷作業を行う際にスペースが狭ければ、商品や同梱物の入れ違いが増えてしまうのは当然です。

商品が取りづらい、作業が行いづらいといった状況では従業員のストレスは溜まる一方ですので、従業員のメンタルヘルスのためにも働きやすい作業環境を整えましょう。

チェック体制を整える

出荷業務が属人化していることによって出荷ミスが起こっている場合は、チェック体制を整えるのが効果的です。

チェックが不十分と感じる場合は、責任者が最終チェックをしたり、作業者間でダブルチェックを行ったりするなどしてチェックの回数を増やしましょう。

チェック体制はあるのにミスが頻発している場合は、チェック体制そのものに問題がないかを確かめる必要があります。

形式的なダブルチェック・トリプルチェックではミスは減りませんので、ぜひ意味のあるチェック体制を作り上げてみてください。

在庫管理や倉庫管理のシステムを導入する

商品数や作業者の数が多い場合は、在庫管理システムや倉庫管理システム(WMS)を導入するのが効果的です。

大半の管理システムは料金がかかりますが、ヒューマンエラーの減少によって出荷ミスが無くなったり、業務効率の向上によって省人化ができたりすれば、料金以上の価値を感じられるはずです。

アウトソーシングをする

出荷業務が自社でまかない切れなくなってきたと感じる企業は、アウトソーシングするのもひとつの手です。

物流アウトソーシングを活用すれば、出荷ミスをはじめ、社内リソースや保管スペースの削減にも期待がもてます。

出荷ミスの発覚後は迅速に対応する

出荷ミスが発覚した際は、原因の特定、関係者への連絡、お客様への謝罪など、迅速かつ適切に対応することが大切です。

ミスは抑制することはできますが、完全に無くすことはほぼ不可能です。

よって、出荷ミス発覚後には速やかに対応したうえで、対応が落ち着き次第、しっかりと再発防止策を考えて実行しましょう。

出荷ミス対策(誤出荷対策)にもzaico

出荷ミス対策(誤出荷対策)には、広いスペースで作業をするといった比較的簡単に取り組めるものから、アウトソーシングをするという開始までに時間がかかるものまでさまざまです。

出荷ミスや誤出荷の種類によっても効果的な対策は異なりますので、まずは自社の出荷ミスの状況や商品の管理体制などを整理し、最も効果の高そうな対策からひとつずつ試してみてください。

在庫管理や倉庫管理の不足によって出荷ミスが起きていると感じる場合は、クラウド在庫管理システムzaicoの導入をご検討ください。

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