作業ミスを減らすために有効な手段として、ダブルチェックを採用しているケースは少なくありません。
ダブルチェックとは、言葉通り「チェックを2回行うこと」です。
ダブルチェックをする際、人を変えてチェックすることもあれば、一人の人が行う方法もあります。
しかし、ダブルチェックをしているにもかかわらず、ミスが出てしまうこともあります。
せっかくミスを減らすためにダブルチェックをしているのに、なぜミスが出てしまうのでしょうか。
ダブルチェックの方法やダブルチェックでミスが起こる理由を確認し、ダブルチェックのミスを防ぐ対策について確認していきましょう。
ダブルチェックとは?ダブルチェックのやり方・方法
ダブルチェックには様々な方法があります。
一人がチェックした後に別の人がチェックする方法もあれば、同じ人が2回チェックする方法もあります。
さらには、ダブルチェックに加えてトリプルチェックという方法もあります。
ダブルチェックの方法について確認していきましょう。
二人で行うダブルチェック
この方法は、二人が1回ずつチェックする方法です。
二人で行うダブルチェックには、連続チェックと同時双方向チェックがあります。
連続チェックとは、一人がチェックし終わった後に、同じ方法で別の人がチェックする方法です。
一方、同時双方向チェックとは、一人がデータの上から順番にチェックし、別の人が下からチェックする方法です。
同時双方向チェックの場合は、他にも異なるデータの整合性をチェックする方法もあります。
例えば、請求書と売り上げ数値の確認であれば、一人が請求書を順に読み上げ、もう一方の人が売り上げデータを確認し、整合性があっているかを確認していきます。
一人で行うダブルチェック
ダブルチェックは基本的に二人別々の人が行うものです。
しかし、実際の現場では一人でのダブルチェックが行われることも良くあります。
一人で行うダブルチェックには、一人連続チェック、一人時間差チェック、一人双方向チェックなどがあります。
一人連続チェックとは、一人が続けて2回チェックする方法です。
一人時間差チェックとは、1回チェックした後時間を空けて2回目のチェックを行う方法です。
この方法は、1回目のチェックから時間を空けているので、少し新鮮な視点で2回目のチェックをすることができ、その分ミスを発見しやすくなります。
一人双方向チェックとは、1回目と2回目で確認する順番を逆にチェックする方法です。
周りに人がいなかったり、他のメンバーが忙しいときには、一人でもダブルチェックしてミスを減らせるように心がけましょう。
トリプルチェック
トリプルチェックとは言葉通り3回チェックする方法で、ダブルチェックをした後、さらに別の誰かがチェックします。
3回とも別々の人がチェックするため、二人で行うダブルチェックよりもさらにミスを発見しやすくなります。
しかし、「他の誰かが確認しているから大丈夫」という気持ちが生まれてしまうと、緊張感が下がりダブルチェックよりも精度が下がってしまうことがあるともいわれています。
そのため、チェックする人たちの責任感や緊張感をしっかりと持たせる工夫も必要となります。
クロスチェック
クロスチェックとは、チェックの仕方や観点を変えて複数回チェックする方法のことです。
例えば、100個の商品を仕入れて在庫が55個ある場合、チェックしているのは仕入数量と在庫数量です。
これを確認するために視点を変えて、仕入れ数量と販売数量を確認します。
そして、仕入れ数量が100個で販売数量が45個ならば、在庫数量が55個というのは正しいといえます。
この様に、扱うデータの観点を変えて複数回チェックする方法がクロスチェックです。
ダブルチェックをしてもミスが起こるのはなぜ?
ミスを減らすために行われるダブルチェックですが、それでもミスが起きてしまうこともあります。
あまりにもチェックし過ぎたり、チェックする人の心構えなどが原因で、ダブルチェックしてもミスの軽減につながらないことがあります。
ダブルチェックしているのにもかかわらずミスが起こってしまう理由について確認していきましょう。
脳は思い込むことがあるため
チェックを行う人が少しでも「大丈夫だろう」、「ミスはないだろう」と思ってしまうとダブルチェックしてもミスを発見できなくなってしまいます。
つまり、思い込みによりチェックが働かなくなるのです。
人間の目は不思議で、「ミスはないだろう」と思い込みながらチェックすると、仮にミスがあったとしても見落としてしまいます。
目には入っているはずなのにそれをミスと認識できないのです。
意識が変われば、今まで見えてないものが見えてくることもありますし、その逆で、目に入っていても見落としてしまうこともあるのです。
このように、思い込みがダブルチェックのミスにつながることがあります。
社会的手抜きが起こるため
社会的手抜きというのは、「一人で作業するときよりも集団で作業するときの方が、つい手を抜いてしまう」ということを意味します。
ダブルチェックする時も「誰かが代わりにやってくれているだろう」、「別の人が見てくれているから大丈夫だろう」という気持ちが働くと、チェックが甘くなってしまいます。
その結果、ダブルチェックのミスにつながります。
業務圧迫により悪循環になるため
ダブルチェックを行えば、業務量を増やすことになります。
そのため、忙しい時にもダブルチェックを義務付ければ、「とりあえずやっておこう」という気持ちにつながりかねません。
そうなれば当然、ミスを見逃す可能性も高くなります。
忙しさのあまり、ダブルチェックすること自体が目的となってしまうと、ミスの発見につながらなくなってしまうので注意が必要です。
ダブルチェックのミス対策
ダブルチェックを行ってもミスが出てしまうのであれば、どうすればそのミスを減らせるのでしょうか。
ダブルチェックのミス対策の方法を確認していきましょう。
ミスの原因を分析する
まずは、「なぜミスを見逃したのか」という原因を分析することが大切です。
この際に注意することは、確認不足や注意力不足が原因と考えてしまうことです。
これらは本当の原因ではありません。
人間は思い込みなどもあるため、確認作業を続けていれば、いつかは必ずミスをしてしまいます。
ミスが起きた理由をさらに深く考え、人間の注意力だけに頼らずに作業する方法や仕組みを具体的に考えることが大切です。
注意力や確認不足をミスの原因としているだけでは、いつまでたってもミスを減らすことはできません。
ルールを徹底する
ダブルチェックのルールを作り、それを徹底することもミスを減らすためには重要です。
チェックする人によって、作業方法や確認項目が異なってしまっては、ダブルチェックの精度にばらつきが出てしまいます。
そこで、チェック項目やチェック方法などを明確にし、マニュアル化することがとても重要です。
これにより、人によるチェックの精度のばらつきを防げます。
また、ミスが起こった際に原因を追究し、改善した場合にはしっかりとマニュアルにも反映していきましょう。
機械やツールを使う
人が行う作業は不注意などでミスをしてしまうことが必ずあります。
そこで有効なのが機械やツールを使うことです。
機械やツールならば注意力不足でミスをするという心配はありません。
例えば、バーコードスキャナを使ってピッキングをすれば、品番を読み間違える心配はありません。
他にも入庫数量や出庫数量も手書きではなく、バーコードスキャナとシステムを使い、管理すればミスを劇的に減らすことができます。
また、検品や品質検査にAIツールを活用している事例も出てきています。
このように、人間ではなく機械やツールを活用することは人為的ミス(ヒューマンエラー)を削減するのに非常に有効な手段となります。
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ダブルチェックのミスを防ぐためにはチェック方法を明確にし、マニュアル化することが大切です。
さらに、機械やツールを導入することはヒューマンエラーを減らすためにとても有効です。
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