食品を扱う企業にとって、在庫はもちろん、賞味期限や消費期限を適切に管理することは極めて重要な業務です。
食品の在庫管理や棚卸し時にはミスをしないよう、慎重に行うことが多いはずですが、課題を感じている場合もあるかもしれません。
食品を在庫管理システムで管理するメリットや食品管理に役立つ在庫管理システムの機能、導入時のポイントについて確認していきましょう。
食品に在庫管理システムは使うもの?
食品在庫の管理方法には、管理表に手書きする昔ながらの方法や、エクセルやスプレッドシートでデータ管理する方法などがあります。
しかし、これらの方法では確認や入力に時間がかかったり、たびたび誤差が生じてしまったりすることも少なくありません。
そんな従来の在庫管理方法よりも効率的なのが、在庫管理システムです。
在庫管理システムと聞くと、インターネット通販やメーカーなど、膨大な商品を抱える企業が使うものというイメージを持つかもしれませんが、食品在庫を管理する場合にも非常に役立ちます。
食品の管理に在庫管理システムを使うことであらゆる面で効果を発揮することが期待できます。
食品を在庫管理システムで管理するメリット
在庫管理システムを使った食品管理には、さまざまなメリットがあります。
食品を在庫管理システムで管理するメリットを確認していきましょう。
食品ロス・廃棄が軽減できる
在庫管理システムによって適切な在庫状況を保つことができれば、食品ロスを軽減することができます。
また、入出庫のデータが蓄積することで、自社の適正在庫の把握にもつながります。
欠品を防ぐことができる
在庫管理システムは、欠品を防ぐことにも期待がもてます。
在庫管理システムは在庫状況をリアルタイムで把握できるため、特に多店舗展開をしている企業や、自宅や外出先からも発注の機会がある企業は、高い利便性を感じられるでしょう。
消費者の健康を守ることができる
食品を扱う企業であれば、賞味期限や消費期限の管理は避けられません。
しかし、管理が万全でなければ、賞味期限や賞味期限が切れた食品を誤って流通させるおそれがあるだけでなく、食中毒を発生させるなど、消費者の健康被害やクレームを引き起こしかねません。
在庫管理システムで賞味期限や消費期限を正しく管理することは、消費者の健康を守ることにもつながります。
トレーサビリティが確保できる
トレーサビリティとは、生産から消費までの流通過程を追跡できる状態にしておくことです。
食品製造で例えると、いつ、どこで、どの原料を使い、誰が加工・流通・販売したのかを、履歴に残すなどして明らかにしておくことがトレーサビリティといえます。
在庫管理システムで正しく食品を管理することができれば、トレーサビリティの確保にもつながります。
業務効率化につながる
在庫管理システムの導入によって棚卸しのスピードや精度が向上し、棚卸しにかかる人員や時間を大幅に削減できたという事例は少なくありません。
また、在庫管理システムのなかには、賞味期限が近い商品をアラートで知らせたり、適正在庫を自動で計算・発注したりするなど、業務そのものを自動化する機能をもつシステムもあります。
自社に合った在庫管理システムを導入できれば、きっと業務効率化を図ることができるでしょう。
食品に使える在庫管理システムの機能
在庫管理は、商品名や商品コードとともに入出庫数や入出庫の日時を管理するのが基本ですが、食品の場合は、さらに多くの管理項目が必要になるはずです。
管理項目の多い食品管理を便利にする在庫管理システムの機能を確認していきましょう。
賞味期限・トレーサビリティ管理
食品に特化した在庫管理システムは、たいてい賞味期限を入力する欄が設けられています。
システムによっては、管理画面上で食品を賞味期限が近い順に並べ替えたり、賞味期限が近い食品に色付けをしたりする機能があるため、食品ロスの削減や確認時間の短縮にも一役買ってくれることでしょう。
また、製造時のロット番号を入力すれば、トレーサビリティ管理の質の向上にもつながります。
入り数管理・荷姿管理
入り数管理や荷姿管理は、ケースやボールで販売されている食品の管理を助ける機能です。
事前に入り数を登録しておけば、バラ単位での実在庫の集計が容易になるため、過剰発注や欠品の防止に役立ちます。
また、荷姿ごとの単価登録ができるシステムもあります。
得意先・納品先管理
取引単価やリードタイムを、得意先や納品先ごとに入力できる機能もあります。
得意先や納品先、また仕入先を正しく管理することができれば、賞味期限の管理同様、トレーサビリティの確保につながります。
預け在庫・預かり在庫管理
得意先や販売委託業者、外部倉庫で保管している預け在庫(委託在庫)や、販売後に未出荷の状態の預かり在庫に対応しているシステムもあります。
実在庫とのズレが生じる預け在庫・預かり在庫をシステムで管理することができれば、棚卸しや理論在庫の確認もスムーズに進められることでしょう。
適正在庫管理
適正在庫管理とは、入出庫や賞味期限の情報をもとに適正在庫を計算してくれる機能のことです。
また、在庫予測や、設定した在庫数を下回った際に自動発注をしてくれる機能のあるシステムもあります。
食品の管理に使う在庫管理システムの選び方
食品の管理に役立つ在庫管理システムを選ぶ際はどのような点を見るべきなのでしょうか。
食品管理用の在庫管理システムの選び方を確認していきましょう。
機能の充実度
まずは、在庫管理システムの導入によって実現したいことを挙げ、実現に必要な機能は何かを考えましょう。
「在庫管理にかかる時間を全体的に削減したい」「廃棄ゼロを目指したいので賞味期限の管理は絶対」など、企業によって機能を選ぶ条件は変わるはずです。
自社にとって必要な機能を選定し、優先順位をつけておけば、システム選びをスムーズに進めることができるでしょう。
使いやすさ・操作性
使いやすさも、在庫管理システムを選ぶ重要なポイントです。
いくら機能が充実していても、システムの操作性が悪ければ、入出庫作業にかかる時間がこれまで以上に増えてしまったり、作業時のストレスが増したりするおそれがあります。
文字が見やすい、スマホからも操作ができる、バーコードをスキャンするだけで在庫管理ができるなど、ぜひ利用シーンを思い浮かべながら在庫管理システムを探してみてください。
導入・運用コスト
在庫管理システムの多くは、導入コストや運用コストがかかります。
特に、食品用に特化した在庫管理システムは利便性が高いぶん、コストが上がる場合があります。
機能性と予算のバランスを考慮しながら慎重にシステムを選びましょう。
他システムとの連携
在庫管理システムのなかにはPOSレジ・ハンディターミナルなどの機器や、エクセル・Eコマースといった外部システムと連携できるものもあります。
在庫管理システムの導入を検討する理由が、食品とあわせて備品を管理することであったり、ECサイトや複数店舗の在庫情報を集約することであったりする企業は、ぜひ他システムとの連携も考慮しましょう。
サポート体制
自動化などの専門性の高いシステムの導入を検討している企業や、新しいシステムの導入に不安を覚える企業は、サポート体制も調べておくべきです。
早急に対処できる従業員が自社にいるのであれば問題ありませんが、いない場合はトラブル発生時に業務が滞るリスクが大きくなります。
電話でのサポートを行っているのか、サポートは無料なのか、24時間土日祝日も対応してくれるのかなど、自社に合ったサポート体制のあるシステムを選びましょう。
食品業の在庫管理システムにもzaico
食品業界においても、在庫管理システムの利用は徐々に広がっています。
自社に適した在庫管理システムが導入できれば、食品ロスを軽減できるだけでなく、業務効率化による生産性向上にも期待がもてますので、機能や選定時のポイントを参考にしながら、さまざまなシステムを比較検討してみてください。
クラウド在庫管理システムzaicoは、食品業界の企業様にも導入されている在庫管理システムです。
管理品目は数十から数千までと、さまざまな業種や規模の企業から導入いただいている実績があります。
食品管理に在庫管理システムの導入を考えている場合は、お気軽にzaicoにご相談ください。
※記事内に記載されたzaicoのサービス内容や料金は記事公開時点のものとなり、現行の内容とは異なる場合があります