「欠品」とは在庫管理において最も防がなければならない状態のひとつです。
欠品がどのような状態かと言うと、顧客が発注した注文数に対して、現物の数量が不足している状態を指します。
取り扱いがあるという前提でお客様が店頭にわざわざ足を運んだものの、提供できる商品がない場合、そのお客様はどのような気持ちになるでしょうか。
オンラインストアも同様で、この欠品の状態は売り上げの機会損失だけでなく、会社の信頼度の低下も招きかねません。
さまざまな影響を生じさせる可能性がある欠品をなくすためのポイントを確認していきましょう。
欠品をなくすには?欠品対策のポイント
欠品をなくすにはどのような対策をすればよいのでしょうか。
各社独自の在庫管理方法で欠品対策を実施しているでしょうが、どのような在庫管理にも共通する代表的な欠品対策を確認していきましょう。
倉庫内は常に整理整頓をする
在庫管理における基本的なポイントをまずクリアすることが大切です。
特に倉庫内及び、物品を管理している場所を整理整頓することで製品の混在を防ぎ、どこに何が配置しているのか、在庫管理に関わる全ての人が分かる環境づくりを意識しましょう。
そうすることで、在庫数の把握が正しく行えるだけでなく作業効率のアップも期待できます。
入出庫の管理を正確にする
入出庫の管理を正確にするということは、商品が入庫した際に決められた場所に、決められたルール(例えば消費期限などがある)で入庫し配置することです。
例えば間違った場所に入庫した商品を置いてしまった場合、その商品は行方不明となり出荷できなくなってしまいます。
出荷する際も間違った商品を出荷してしまっては、それは誤出荷となってしまい在庫数が狂ってしまいます。
在庫を持ち出す際のルールを決める
欠品が起こってしまう際によくあるのが、営業担当者がサンプルが必要なため倉庫から販売商品を持ち出してしまい、その記録を残していない場合です。
あらかじめサンプル分を確保したり、または現品をサンプルとして持ち出す場合も、どちらも持ち出し記録のルールを明確にし、現場でそのルールを理解するまで周知することが必要です。
定期的に棚卸をする
在庫管理システムを入れていない場合、どうしても入出庫管理を含め人為的ミスが発生しやすいため、定期的に棚卸を実施することをおすすめします。
棚卸を実行することで実際の在庫数を明確にし、理論在庫(帳簿上での在庫)に反映させることですぐに欠品を発見することができます。
棚卸を実施することで、正確な在庫管理を維持できるようになります。
適正在庫を把握する
適正在庫とは、欠品が発生しない程度のその店舗にとってちょうどよい量の在庫を保つことを指します。
常に在庫がギリギリになってしまうと、お客様が必要な時に欠品を起こし、販売の機会損失につながります。
また、余剰在庫を抱えることも然り、管理費などもコストが発生してしまいます。
リードタイムを考慮する
リードタイムとは、商品を注文してから入荷するまでの期間を指します。
リードタイムが短くなればなるほど商品の欠品が起こりにくく、機会損失なども発生しづらくなります。
このリードタイムが長ければ長いほど一度の発注でたくさんの数量を買わなければなりません。
すなわち過剰在庫を抱えるリスクも高まり、在庫の管理に手間がかかってしまうので、コストの面からみても適切なリードタイムを設定することが重要です。
市場の需要予測を行う
需要予測とは将来必要になる在庫数を予測し、目安とすることです。
この目安があることで、欠品を防ぐことにつながるだけでなく、適正量で在庫を補充することができます。
この需要予測の出し方ですが、これまでのデータを分析するだけでなく、取引先からの情報(内示)、そしてエンドユーザーであるお客様のニーズを察知することが必要となります。
在庫管理システムを利用する
在庫管理システムを使用することで、効率アップだけでなく未然に欠品を防ぐことも可能です。
アナログなノートやエクセルを使用した在庫管理方法だとどうしても人為的ミスが発生しやすくなり、常に最新の在庫状況を把握できるわけではありません。
また、今はバーコードリーダーなど、バーコードを読み取り在庫データに反映させる方法もあるので、入出庫管理の精度も各段に上がります。
欠品が発生してしまう主な原因
欠品対策の方法を見ても分かるように、欠品が起こるのには必ず原因があります。
欠品を引き起こす主な原因を確認していきましょう。
在庫の整理整頓ができていない
在庫の整理整頓ができていないと欠品を生じさせる大きな原因につながります。
基本中の基本、整理整頓は入出庫、棚卸、すべてのベースとなる重要業務のひとつと捉えてください。
動線を確保し、物品の配置場所を分かりやすくすることで、より欠品が発生しやすい状況を防ぐことができます。
欠品が生じていなくても在庫の整理整頓ができているかどうかを確認して、できていなければ改善しましょう。
入庫の検品が適切でない
入庫時の検品が不適切だと適切な在庫把握ができませんし、整理整頓も難しくなり、欠品を生み出しやすい状態を作ってしまいます。
精度の高い入出庫管理は重要ですが、まずは物品の入庫時の検品に力を入れてみましょう。
納品書の数やデータと実数が合っていない場合、欠品及び、過剰在庫になってしまう可能性があるので、入庫時に適切に検品して予防しましょう。
社内での在庫情報管理ができていない
「情報」(在庫データ)と「実際の物品数」が合っていることを情物一致と言い、これらが不適切であれば適切な在庫管理は不可能になり、欠品も生じてしまいます。
物品を動かす際にその記録が必ずなされており、記録やデータとして残っていることです。
この記録行為は在庫管理に関わる全ての人が忘れず実行することが必要になるので、各社の在庫管理ルールに対する理解をまず徹底しましょう。
欠品が許される商品・許されない商品
在庫にも欠品が許される商品、許されない商品が実はあります。
つまり、欠品が許されない商品が欠品していれば影響は大きくなってしまいます。
欠品が許される商品・許されない商品について確認していきましょう。
欠品が許される商品の例
商品そのものの希少性が高く、需要が多く供給が少ないものです。
分かりやすい例が「限定商品」などです。
限定商品だからこそ、それが手に入るまでは待てるという消費者も多くいます。
また、そこまで差し迫って購入する必要がないもので、サンプルを見てじっくり購入を検討できるものは、その場で商品が手に入らなくても大丈夫な場合があります。
例えば家電など、売り場でじっくりモノを見て実際に触って、その場で購入を即決しないような物の場合は、欠品であっても影響はあまりないでしょう。
欠品が許されない商品の例
欠品が許されない商品とは、許される商品と真逆でいくらでも選択肢があり、常に手に入りやすいものを指します。
すなわち生活必需品などがそれにあたります。
例えばトイレットぺーパーなど無くてはならないもので、供給量が需要量より大きいものなどです。
このような商品の場合、各社がしのぎを削って、手に取ってもらうため同価格帯の中で差別化を図ります。
そして社会的に緊急事態のような事象が発生しない限り店頭から無くなることは許されないものといえるでしょう。
欠品が起きてしまったときの対応方法
欠品対策を実施したとしても、実際に欠品が起きてしまったらどのように対応したらよいのでしょうか。
欠品が起きた際の対応について確認していきましょう。
欠品の事実と状況を伝える
メールでも対面でも商品が欠品している事実とその理由を迅速に、正直に伝えることが大切です。
いかなる場合でもまず発注を受けた商品が品切れである旨を伝えます。
そして、冒頭の事実確認の次に、お客様が何を注文されているのかを再度間違いの無いように確認も兼ねてお伝えしてください。
再入荷の見通しを伝える
お客様によってはどうしても欲しい商品の場合、再入荷をお待ちいただける場合があります。
再入荷の見通しがつくのであればその入荷のタイミングと、お客様にお届けできる目安の日程をお伝えします。
金銭的損失がないことを伝える
ご注文を受けた商品が、すでに販売終了で今後入荷予定が見込めない場合は、まず商品が確保できず納品ができないことを説明します。
そして、既にお客様がすでに決済済みの場合は、諸々の手数料を含め全額をご返金することを明確に伝えましょう。
重要なのは、お客様に一切の金銭的な損失が発生しないということをご理解いただくことです。
それでなくても欠品という事実で不安でいっぱいの中、すでに決済済みだった場合は、決済料金含めた商品代が戻ってくるのかどうかさらに不安が募っているはずです。
欠品の事実を伝え謝罪するだけでなく、金銭的損失が発生しないことをお伝えするまでが対応方法のワンセットだと思ってください。
欠品をなくすならクラウド在庫管理システムzaico
欠品対策には正確な在庫管理ができていなければ実現できません。
紙やエクセルでの在庫管理ではどうしても人為的ミスが起こりがちになると同時に、効率アップも狙えません。
また、在庫情報は常に最新のもので、正確な在庫数を把握してこそ欠品を防ぐことができます。
クラウド在庫管理システムzaicoは多くの企業に導入されている在庫管理システムであり、在庫管理の効率化はもちろん、適切な在庫の把握や発注管理、棚卸しの効率化などさまざまな面で効果を実感いただいています。
欠品をなくし、適切な在庫状態を維持したいと考えている場合は、お気軽にzaicoにお問い合わせください。