クリニックの在庫管理をエクセルでする方法とエクセルからの脱却方法

クリニックで質の高い医療提供を行うためにも適切な在庫管理は欠かせません。

多くのクリニックでは在庫管理にエクセルが使われていることがありますが、クリニックの在庫管理はエクセルが最適な方法なのでしょうか。

クリニックの在庫管理にエクセルを使用するポイントや問題点、さらにエクセルよりも在庫管理の質の向上に効果的な在庫管理システムについて確認していきましょう。

クリニックでの在庫管理の重要性

クリニックでの在庫管理は、医療の質を維持するために極めて重要です。

医療機関では、日々多岐にわたる大量の物品が使用されます。

これらの物品の適切な在庫管理が行われてこそ、必要な医療機器や医療材料、衛生材料などが常に揃い、患者に適切な医療提供を行うことができます。

在庫切れによる物品の不足は、検査や処置、手術などの遅れにつながり、患者の健康にも影響を及ぼしかねません。

また、多くの医療機器や医療材料に設けられている使用期限を適切に管理し、期限切れ品の誤使用を防いだり、円滑な業務遂行のため物品を補充・配置したりすることも、在庫管理の大切な役割です。

このように、在庫管理はクリニック運営の基盤を支える重要な要素といえるでしょう。

クリニックの在庫管理はエクセルでするもの?

クリニックでも紙ベースの在庫管理表に、手書きで情報を書き込む方法が取られていたり、エクセルを使うことは一般的な方法といえるでしょう。

しかし、クリニックでの在庫管理をエクセルですることは少なくはありませんが、最適な方法とはいえません。

クリニックの在庫管理をエクセルでする限界や課題、問題点が少なくはないからです。

エクセルは紙に比べて利便性は高いものの、在庫管理の正確性や効率性の観点では、多くの課題が指摘されています。

クリニックの在庫管理にエクセルを利用する場合は、エクセルで在庫管理をするということの課題を理解しておくことが大切です。

クリニックの在庫管理をエクセルでするポイント

クリニックの在庫管理をエクセルで行うにはどうすればいいのでしょうか。

クリニックの在庫管理にエクセルを利用する際のポイントを確認していきましょう。

必要項目を満たした在庫管理表を作成する

在庫管理表に必要な基本的な項目には、品名、入荷日、入荷数量、使用期限、保管場所、使用日・使用数量、残数、発注点などがあります。

エクセルの在庫管理表で必要な情報すべてを扱うには、このように品目ごとに多くの項目設定が必要です。

医療機関では、医療機器や医療材料の使用期限管理も重要なので、管理項目に必ず設定して期限切れ品の誤使用を防ぐ対応が求められます。

在庫情報を正確に入力する

質の高い在庫管理は、情報入力の正確さが鍵となります。

誤入力データがあると、誤った在庫状況に基づく管理が行われるため、在庫切れや在庫過多のリスクが高まります。

このような事態が続くと、在庫管理表の信頼性が低下し、重要な判断を行うときには実物を確認することになってしまうなど、管理表の役割も果たせなくなります。

エクセルの在庫管理表には大量の情報が一覧になっているため、閲覧ミスや入力セルの間違いが起こりやすく、注意が必要です。

入出庫を漏れなく記録する

正しい在庫情報が反映された在庫管理表を運用するには、入出庫の記録を漏れなく行うことが不可欠です。

入荷日、入荷数量、使用日、使用数量の情報を、誤入力に十分注意しながら品目ごとに入力し、現在庫が正しく表示されるようにします。

入出庫の入力漏れや誤入力があると、在庫状況が不正確になり、必要なタイミングで発注が行われなかったり、気づかないうちに在庫切れを起こしたりする可能性があります。

常に在庫状況を確認する

エクセルの在庫管理表に正確な情報が反映されていても、管理表の分析が十分行われなかったり、データが見落とされていたりすると、質の高い在庫管理は行えません。

担当者は、在庫管理表を常によく確認し、適正在庫が維持されているかどうか把握する必要があります。

特に発注業務には、在庫管理表のデータに基づいた適切な発注タイミングの判断が求められます。

クリニックの在庫管理をエクセルで行う問題点

エクセルを使ったクリニックでの在庫管理には、どのような問題があるのでしょうか。

クリニックの在庫管理をエクセルで行う問題点を確認していきましょう。

業務効率が低い

エクセルを使った在庫管理は、多くの手作業を伴うため業務効率が低くなりがちです。

日々大量の物品が使用されるクリニックでは、在庫管理表を頻繁に更新しなければなりません。

そのたびごとに該当の品目を探し、該当の更新箇所を特定したうえでのデータ入力は、時間と労力を要します。

また、複雑な計算や分析を行うには関数やマクロを駆使する必要があり、エクセルに不慣れなスタッフにとっては負担が大きくなります。

入力ミスが生じやすい

エクセルでの在庫管理では、大量のデータが羅列された管理表から入力すべき箇所を特定しなければならないため、誤った箇所に数値入力をしてしまうおそれがあります。

キーボードの打ち間違いによる数値の誤入力も起こりえます。

注意深く管理しても誤入力を完全に防ぐことは難しく、エクセルの在庫管理表の信頼度を保つことは容易ではありません。

モバイル端末が使いにくい

エクセルはパソコンでの利用を前提としているため、スマートフォンやタブレットなどモバイル端末での操作性は優れているとは言えません。

モバイル端末を用いた現場でのデータ更新や、場所を選ばないデータ閲覧ができると、在庫管理の効率や利便性が大きく高まります。

しかしながら、エクセルはモバイル端末で使うには操作が煩雑で、小さい画面での使い勝手が良くないため、データ入力や確認が困難です。

結果、パソコンでの更新が主となり、データ更新の遅れや作業効率の低下につながるという問題も生じるおそれがあります。

発注漏れが起こりやすい

在庫管理では、在庫状況を正確に把握し、適切なタイミングで発注の判断を行わなくてはなりません。

しかし、大量のデータが羅列されたエクセルの管理表から、発注すべき品目を選び出す作業は容易ではないため、見落としによる発注漏れが生じやすいと考えられます。

関数などを駆使して、発注点を下回った品目を目立つよう表示させることなどは可能ですが、こうした工夫は担当者のエクセルを扱う能力が十分高い場合に限られます。

属人化が起きやすい

エクセルは汎用性の高いツールであり、さまざまな用途に応用できるのが特長なので、当然在庫管理に特化しているわけではありません。

そのため、データの見方やそれに基づく判断の仕方は担当者個人に依存します。

結果、その担当者が不在の場合や退職した場合に、在庫管理のあり方が急に大きく変わったり、業務が滞ったりするリスクがあります。

こうした属人化が進むと、安定的な在庫管理の運用は難しくなるでしょう。

数値の更新にラグが発生しやすい

在庫管理ではクリニック経営の根幹にも関わる重要なデータを扱うので、ファイルは個人で保有せず、他の関係者と共有しておくことが望ましいでしょう。

エクセルでもファイルの共有・更新は可能ですが、数値更新やファイルへのアクセスのタイミングによっては、閲覧者に古いデータが見えてしまうことも起こります。

特にクリニックでは頻繁に多くの物品が使用され、在庫状況が常に変動しているため、このようなラグが在庫管理に影響を及ぼす可能性もあります。

クリニックの在庫管理もエクセルより在庫管理システムが良い理由

クリニックの在庫管理をエクセルでする場合、さまざまな問題が伴いますが、これらの問題の解消に役立つのが在庫管理システムです。

クリニックの在庫管理もエクセルより在庫管理システムが良い理由を確認していきましょう。

最新の在庫情報を共有できる

在庫管理システムは、複数の担当者、複数の端末から利用することを前提に設計されています。

そのため、人や場所を選ばず、システムにアクセスすれば必ず最新の在庫情報を確認することができます。

常にデータが共有されていることから、エクセルで問題となる属人化や数値のラグも生じにくいため、クリニック全体として常に最適な在庫管理運用を行うことが可能です。

モバイル端末の利用にも適していることが多く、現場を動き回りながらの作業も効率的に行うことができ、データ更新の遅れが発生しにくいこともメリットです。

必要な情報を見つけやすい

在庫管理システムは品目ごとに情報が一元管理されており、視覚的にも見やすい表示画面に工夫されています。

操作性にも優れているため、エクセルと比べて必要な情報を見つけ出しやすく、数値の見間違いも起こりにくいでしょう。

在庫管理システムの中には、二次元コードやバーコードでのデータ検索に対応しているものもあり、さらなる業務効率向上が期待できます。

適正在庫を維持しやすい

在庫管理システムは、発注の判断にも役立ち、適正在庫の維持をサポートします。

在庫管理システムの中には、あらかじめ設定した発注点を下回るとアラートが送られる機能が備わっているものもあります。

こうした機能は、発注タイミングの見落とし防止に有用です。

エクセルでは、発注タイミングを逃さないよう、常に在庫管理表をチェックして在庫状況を把握する必要がありますが、在庫管理システムを導入すればその必要性は低下します。

そのため、担当者の業務負担やストレスの軽減にもつながるでしょう。

コストが削減できる

在庫管理システムの利点によって、在庫管理業務の負担は大きく軽減されるでしょう。

在庫管理にかけていた時間が削減されると、人材を異なる業務に振り向けることができ、結果として人件費の削減につながります。

また、エクセルでの在庫管理で在庫過多や誤発注の問題を抱えている場合は、在庫管理システムでこれらを防止することにより、在庫が適正化され、無駄なコストの発生を抑えることもできます。

多くの医療機関で、在庫管理システム導入のコストを考慮しても、全体として大幅なコスト削減が可能であったことが報告されています。

クリニックの在庫管理はエクセルよりzaico

多くのクリニックでは、在庫管理の適正化や効率化のため、さまざまな努力を重ねています。

それでも現状に課題を感じている病院関係者の方も多いのではないでしょうか。

大きく現状を改善したいなら、クリニックの在庫管理はエクセルではなく在庫管理システムを導入することが効果的です。

中でもシンプルな管理と簡単操作を重視するなら、クラウド在庫管理アプリzaicoを検討してみてください。

zaicoは、歯科・眼科・整形外科などのクリニックをはじめ、動物病院や在宅医療、総合病院でも広く利用されているクラウドベースの在庫管理システムです。

スマホやタブレットからアクセス可能で、視覚化された在庫データを常時共有できるほか、定数管理のアラート機能も備えています。

直感的な操作性に加え、バーコードや二次元コードのスキャン機能を備えており、誰でも簡単に在庫検索や情報更新が行える簡便さが特長です。

クリニックの在庫管理をエクセルから脱却したいとお考えの場合はお気軽にzaicoにお問い合わせください。

※記事内に記載されたzaicoのサービス内容や料金は記事公開時点のものとなり、現行の内容とは異なる場合があります