前回、安全在庫の公式をご紹介しました。
ただ、公式だからと言ってむやみ使うのはとても危険です。
元々、この安全在庫の公式ができた時代は、少品種大量生産の時代なので
今のように需要変動が少ないようです。
いくつか使用する際の注意点をお伝えします。
使用数量に季節変動がある
例えば、繁忙期と閑散期のような季節変動があるような商品の場合は、
1年間の使用数量の標準偏差を求めてしまうと、
使用数量が少ない時は安全在庫が多すぎ、
使用数量が多い時は、安全在庫が少なすぎる
という結果になります。
需要の変動を見極めて、それぞれ分けて計算しましょう。
データの分布に偏りがある場合
安全在庫の公式が使えるのは、データの分布が正規分布の時です。
データの分布が偏っている場合は、安全在庫の公式が使えません。
データに異常値がある
異常値とは、通常の値とはかけ離れた値の事です。
例えば、テレビで朝バナナダイエットが放送されたときは、
バナナが一気に売場から消えたそうです。
これは、「テレビ」というイベントがあったから起こったことで、
通常の需要だと考えられません。
こうした時は、必ず異常値を除外します。
異常値を残したままでは、正常な値が異常値の影響を受けてしまい、
正しい値が出なくなってしまうからです。
どんなデータでも使えるというわけではなく、一旦データを眺めてみる
事が大切です。眺める時に有効な手段は、グラフ化ですね。
データが変化する
当然ですが、社会情勢は日々変わり、需要の状況もそれに応じて日々変わっていきます。
つまり、昔設定したデータをそのまま残しておくのはとても危険ということです。
定期的に、安全在庫は見直しましょう。
実は、多くの企業では最初に設定した安全在庫をそのままにしているということが
とても多いです。
需要変動の状況にもよりますが、少なくても3か月に1回くらいの見直しは必要です。
在庫管理に関してもっと知りたい方、在庫管理に関するお悩み・ご相談は、
在庫管理の総合窓口「在庫管理110番」までお気軽にどうぞ!