在庫管理アドバイザーの岡本です。
前回の記事では、商品の需要特性を知ったうえで、各商品ごとに
需要予測を個別に行うことが重要だとお伝えしました。
今回も適正在庫を知るために必要なことをお伝えします。
在庫管理の相談者は、「欠品をしないようにしたい」と仰ることが多いですが、
統計学的に見ても、「100%欠品を防ぐ」ということは不可能です。
なぜなら、予測を100%当てるのが無理だからです。
ここで大切なのが企業の姿勢です。
例えば、トヨタ自動車。
在庫を持たない徹底的なかんばん方式を実施しています。
ただ、それが裏目に出るときがあります。
それは地震などの自然災害です。
在庫を持たないということは、部品を供給するサプライヤーの
生産が停止してしまえば、トヨタのラインも即停止するということを
意味しています。
一般的な企業であれば、「地震が起こるので在庫を持とう」という
判断をすると思います。
しかし、トヨタはそうしません。
そういった問題は割り切ります。
企業として、どういう方針を貫くかが適正在庫の設定で大切になります。
在庫を持つ、在庫を持たないというのは、メリットとデメリットが表裏一体です。
トヨタのように在庫を持たないという判断をすれば、サプライヤーに何か問題が起こると
即欠品です。
逆にアマゾンのように何でもそろう環境を整えれば、欠品は無いかもしれませんが、
巨大な倉庫と管理費がかかります。それに耐えるだけの資金が必要になります。
決めれば、どんなリスクが発生するのかが想定できるので、
それに対応した施策を立てればよいのです。
つまり、企業戦略と在庫戦略が両輪になっていることが大切です。
多くの企業ではここがちぐはぐなので、うまくいきません。
トヨタもアマゾンも共通しているのは、データに基づいて
決めていることです。
KKD(経験・勘・度胸)ではうまく行かないのは明らかです。
KKDを直ちにやめて、データを使った客観的な意思決定に
シフトチェンジしましょう。
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