棚卸差異が起こる理由の第4回目は、棚卸し当日に起こる
問題のうち、「置き場」について着目してみます。
棚卸しにおいて「置き場」の管理はとても重要な要素です。
数え漏れの原因、最も多い理由の一つに、
他の商品に隠れて見えなかった。
という理由があります。
これは明らかに置き場の問題です。
その他、置き場の問題として、数える商品を探すのに
時間がかかったということもよくある理由です。
これらを解消する方法として、最も有効なのが
3Sの「整頓」です。
整頓していれば、確実に棚卸の精度があがり、
しかも棚卸時間の短縮もできます。
ある会社は、棚卸に2日かけていました。
しかも、棚卸しの2日間は、8:00- 22:00までと実に14時間と相当時間をかけて行っていました。
社長が交代した時に「棚卸に2日もかけるな、次から1日にしなさい」
という命令がありました。
その会社はずっと昔から「棚卸は2日」という意識があったので、
無理だと言う声が多かったのですが、そんな時に行ったのが、「整頓」
でした。
会社の倉庫や作業場を見て回ると、正しい場所におかれていなかったり、
表示が無かったりと在庫の置き場がめちゃくちゃだということが分かりました。
その状態を徹底的に直し、正しく「整頓」された状態にしました。
するとどうでしょう。
今まで1日14時間、2日で28時間もかかっていた棚卸しが、
わずか1日で終わるようになりました。しかも棚卸の精度も上がっていました。
22時頃までかかりましたが、じつに14時間の短縮です。
従業員が200名近くの会社でしたので、200人×14時間=2800時間
の削減です。時給換算してみると、さらにその凄さが分かります。
棚卸しの精度が悪い、棚卸に時間がかかると頭を抱えている会社は、
是非一度、「整頓」することをお勧めします。
ただ1点、注意です。
「整頓」をするためには、「整理」が必要です。
整理ができていない会社は、まずは整理から取り組みましょう。
これまでの棚卸差異が起こる理由はこちらからご覧ください。
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