適正在庫の最新モデルは江戸時代にあった?

在庫管理アドバイザーの岡本です。

皆さんは、富山の置き薬をご存知でしょうか?

富山の置き薬とは、1690年(元禄3年)に富山藩第二代藩主・前田正甫(まえだまさとし)が始めた

手法がルーツと言われ、300年以上の歴史があります。

その方法とは、家庭に置き薬を預けます。そして、定期的に薬を置いた家庭を

巡回して、その家庭が使った分だけの料金をいただくというものです。

 

300年以上前に始まったこの在庫管理の方法は、

VMI(Vendor Managed Inventory:ベンダー管理在庫)と呼ばれ注目されています。

 

この方法は、在庫管理にも応用できます。しかも、非常に仕入れ側、サプライヤー側の両方にとって

メリットのある方法です。

 

通常の在庫管理における受発注の方法は、

発注作業は、発注者側が在庫数をウォッチして、必要になったら発注をかけます。

サプライヤー側は、発注者の需要(発注数と時期)を予測しながら、必要だと思われる数量を

調達して発注に備えます。

サプライヤーは、需要の予測が外れれば、欠品や過剰在庫を抱えることになります。

一方で、発注者側は、サプライヤーに在庫が無ければ欠品になり、お客様に迷惑をかけてしまいます。

 

VMIによる在庫管理を実現すれば、これらの問題は一気に解消します。

では、どんなメリットがあるのでしょうか?

 

発注者側のメリットとしては、

  1. 無在庫
  2. 棚卸し不要
  3. 発注作業が無くなる
  4. 欠品・過剰在庫が無くなる

 

まず、一番大きなメリットとしては、在庫が全て預かり品になるので、資産としては無在庫に

なります。通常は、売れるかどうか分からない商品を仕入れて、注文があるまで待たなければ

いけません。つまりお金がずっと会社で寝ている状態です。

 

しかし、この仕組みになれば、会社にある在庫は全て預かり在庫ですので、お金が寝ることは

ありません。

 

そして、無在庫ということは、棚卸が不要ということです。

棚卸し作業は、業務を止めて行う会社的にも従業員的にも負担の大きい作業ですから、

これが無くなるのは大きなメリットと言えます。

 

これだけを見ると、発注者の在庫負担をサプライヤーが行わなければいけないので、

負担ばかりだと思いますが、実はこの仕組みはサプライヤー側にこそ旨みがあります。

 

次回は、サプライヤー側のメリットをご紹介します。

 

VMIにご興味のある方、在庫管理に関してもっと知りたい方、在庫管理に関するお悩み・ご相談は

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