自治体DXにzaicoを活用。救急資器材や水道部品をQRコード管理、発注アラートで欠品リスクも解消された

会社・団体名

池田市

業種

官公庁・自治体

従業員数

1001〜5000名

地域

近畿

管理物品

部品 / 部材 / 器材 / 資材 / 薬剤

課題

紙やExcelでの管理をなくしたい / 過剰在庫・欠品をなくしたい / 管理の属人化をなくしたい / 使用期限・賞味期限を管理したい

活用機能

発注点管理 / QRコード/バーコードスキャン / 入庫/出庫(予定)データ登録 / 期限管理

2024/12/9

池田市様:在庫管理基本情報

  • 管理している物品:救急資機材、水道関係材料、焼却炉部品
  • 管理している品目数:1,354品目
  • zaico導入前の在庫管理方法:在庫管理していなかった, 紙(帳簿)に記録していた, Excelに記録していた
  • 利用開始:2023年
  • 利用頻度:ほぼ毎日
  • 利用人数:16名
  • バーコード・QRコード利用:あり

zaico導入前に抱えていた在庫管理の課題

  • 発注を含む在庫管理業務が属人化していた
  • アナログ管理が煩雑で、入出庫処理でミスが多発していた
  • 在庫の動きを把握できず、欠品を起こしていた

zaico導入によって得られた効果は?

  • 管理の属人化が解消され、空いたリソースを本来業務に充てられるようになった
  • 入出庫処理を簡略化・効率化でき、ミスや棚卸差異が減った
  • リアルタイムな在庫状況を把握できるようになり、欠品がなくなった

池田市様に、zaico導入前の課題から導入後の効果までを伺いました!

令和5年度にDX推進宣言を発出し、全庁的にDX化に取り組まれている池田市様。消防本部をはじめ、現在3つの部署でzaicoをご利用いただいています。

アナログかつ煩雑になっていた資材や部品の管理を、zaicoを導入することで簡略化・効率化することに成功されました!今回は、庁内のDXに関する“相談役”としてご活躍されている、行政管理課の川本様に詳しくお話を伺いました。

池田市 行政管理課 川本様

他市消防署の導入事例がきっかけでzaicoを検討

zaico導入の経緯を教えていただけますか?

川本様:池田市ではDXの推進体制を構築しています。各課の持っている課題や、技術を使って業務改善できることを積極的に抽出し、対応できるところから改善に取り組んでいます。
そんな中で、消防本部の救急関連の資器材の管理がアナログであり、また増え続ける救急出場の中、資機材の種類と量も増加傾向にあり、在庫管理の負担が増加していることが課題として上がり、改善できないかという相談を受けたことから在庫管理システムの導入を検討することになりました。

ネット検索でzaicoを見つけてくださったのですか?

川本様:はい。ネットで「在庫管理システム 自治体」と検索したら、春日井市消防本部のzaico導入事例が出てきました。消防で似た課題に対応できていることが分かったので、当庁でもzaicoを試してみたいと問い合わせたのが最初のきっかけです。現在は消防に加えて、上下水道部、クリーンセンターの3部署でzaicoを利用しています。

zaico導入時、つまずきやハードルになったことはありましたか?

川本様:各部署で、導入を担当した職員の負担は大きかったかなと思います。これまで紙台帳やExcelで管理していたものを、一度棚卸してzaicoに登録する作業、QRコードの読み込みをスムーズにするための環境整備など、導入の準備段階ではある程度の作業負担がありました。

最初は、一時的な業務量が増えたのですね。

川本様:ただ、それはやればやるほど業務改善が進むことなので、当然のことだと思います。
逆にそれ以外でのつまずきはありませんでした。全庁的なDXを手伝っている立場として、私の中でzaicoは特に「手がかからずに役に立つものを入れられた」という好事例になっています。それだけ現場に求められる機能がちゃんとあるということでしょうね。

消防本部では救急資器材を管理、在庫数の不安解消に繋がった

どのような物品を管理されていますか?

川本様:消防だと、救急が使っているような資器材、例えば手袋や消毒液、生理食塩水などを、救急車の待機場所近くの倉庫に保管しています。救急車には、常にマスクはこれくらい、消毒液はこれくらいといった「デフォルトで装備しておく量」があるんです。一回の出動が終わったら、減った分をまた倉庫から救急車に補充して、常にあるべき状態に戻しています。

使った資器材を倉庫から出して、救急車へ補充します

以前はどのような方法で在庫管理をされていたのですか?

川本様:紙とExcelを使っていました。倉庫から救急車へ補充をするときに、紙(ノート)に書くというアナログな管理でした。

以前は紙に書いて資器材を管理されていました

当時はどんな課題があったのですか?

川本様:資器材が足りなくなって救急車に必要なものを載せられなくなったら大変なので、消防では月に一度、救急隊員として現場活動している職員が全ての救急資器材の在庫数をチェック(棚卸)しています。

以前は、実際に棚に置いてある物品を数え、ノートに書いてある量と照らし合わせる作業が必須であったため、救急出場が重なる中で多数の物品を数える手間が課題となっていました。

zaicoを導入されて、課題は解消されましたか?

川本様:はい。棚卸の作業時間が短縮されたことに加え、普段の入出庫処理の精度が上がったことで、棚卸をしたときの差分も減りました。
また、常にリアルタイムな在庫数を把握できるため、管理者の在庫数への不安の解消にも繋がっています。

発注アラートで在庫不足を防止、資器材の期限管理も容易に

消防本部での、zaicoを使った具体的な運用フローを教えてください。

川本様:zaico導入と同時に、倉庫の棚にQRコードを貼って管理するようになりました。ものを買って納品され、倉庫の棚に置くタイミングで入庫登録をします。そして、倉庫から救急車にものを補充するタイミングで、出庫登録をします。

入出庫登録にはスマホのスキャン機能をご利用いただいていますか?

川本様:はい。入出庫のときは棚のQRコードをスキャンして登録しています。おかげで、速さ・質ともに大きな業務改善に繋がりました。

棚のQRコードをスキャンして入出庫処理をしています

スキャンの他に、zaicoで特に便利に感じていただけている機能はありますか?

川本様:発注アラートを設定できる発注点管理機能は大変助かっています。発注のタイミングを把握できることで、在庫不足が大きく解消されました。

発注点を切るとアラート表示されます(画像はサンプル)

川本様:また、期限アラート機能を利用することで、資機材の使用期限の管理も容易になりました。期限切れの発生も防ぐことができています。

設定した使用期限を切ると赤文字でアラート表示されます(画像はサンプル)

上下水道部では棚卸の効率化、精度の向上に成功

上下水道部では何を管理されているのですか?

川本様:上下水道部では、水道管の修理に使用する材料を管理しています。各材料には1個、2個…と個数で管理するものや、メートル単位で管理しているものがあります。

上下水道部で部品を管理されている倉庫

zaico導入前の上下水道部の在庫管理方法、課題を教えていただけますか?

川本様:以前は紙台帳や会計システムを使って管理をしていたのですが、量も種類も大変多く、管理の煩雑さがかなり際立っていました。消防と同様、漏水修繕などの緊急の出動が多いので、材料をまとめて取ってパッと出て行く、というようなことが多く、ミスも起こりやすかったんです。

欠品なども発生していたのですか?

川本様:実際に欠品したことはありませんでしたが、常に欠品が起こりうるリスクはある状態でした。紙台帳での管理の精度が低かったので、月に一度の棚卸では数がズレていることもありました。アナログ管理では、正確な材料数の把握に時間がかかっていました。

zaico導入後は、どのように材料を管理されているのですか?

川本様:消防と同じように、保管庫の棚にQRコードを貼って管理しています。QRコードをスマホでスキャンして入出庫登録をしています。

zaicoで管理されるようになって、課題は解消されましたか?

川本様:はい。在庫管理に関わる作業の精度が、アプリを使用することで向上しました。入出庫履歴を見ることができるので、間違いが発生したときに気づきやすくなったんです。棚卸にかかる作業時間も短縮されて、在庫数の差異も減りました。

クリーンセンターの課題「部品の欠品」が解消された

クリーンセンターではどのような物品を管理されていますか?

川本:クリーンセンターは焼却炉なのですが、その焼却炉で使う部品を管理しています。ホームセンターで手軽に買えるようなものではなく、部品によっては、その形の鉄を成型してつくるようなものもあり、発注してから届くまで何か月もかかるといったこともあります。

クリーンセンターで管理されている焼却炉の部品

以前はどのような課題があったのですか?

川本:クリーンセンターでは、そもそも在庫管理をしっかりとできていませんでした。
焼却炉を安定的に運用するために外部の保守業者がいるのですが、その保守業者に倉庫の部品管理や修理を任せていて、業者から足りないと報告を受けた部品を発注している状況でした。管理の属人化はzaicoを導入したすべての部署で共通する課題の一つでしたが、クリーンセンターでは特に顕著でした。

保守業者が在庫管理されている状態だったのですね。

川本:はい。業者に言われたものを買うという状態で、数の記録をしていなかったので、何がどれくらい減っているかも把握できていませんでした。急に必要だと言われた部品が、納品まで時間がかかるものだったために、すべき修繕ができないこともありました。

管理の属人化や欠品の発生を防ぐために、zaicoを導入いただいたのですね。

川本:そもそも在庫管理をしなければいけないな、と職員が思い始めていたタイミングでzaicoの存在を知ったので、クリーンセンターでも導入することになりました。

クリーンセンターでの具体的な運用フローを教えていただけますか?

川本:クリーンセンターでも、倉庫の棚にQRコードを貼って部品を管理しています。必要になった部品を購入して、倉庫に入れたらQRコードをスキャンして入庫登録をします。部品を使うときは、職員が倉庫に入り、QRコードをスキャンして出庫登録をしてから業者に部品を渡すという運用になりました。

倉庫の棚のQRコードをスキャンして入出庫登録

欠品トラブルはなくなりましたか?

川本:はい。zaico導入と同時にきちんと在庫管理をするようになったので、今は部品の欠品は発生しなくなりました。

zaicoによって空いた手を、本来業務に回せるようになった

zaicoを導入された部署で、全体的にどのような効果がありましたか?

川本:zaicoを導入することで空いた職員のリソースを、それぞれの別のミッションに充てることができるようになりました。例えば消防であれば、資器材の管理に取られていた手を、本来すべき業務に充てられるようになったのは大きな効果です。

また、在庫の正確性を担保できるようになりました。消防や上下水道部は緊急出動が多く、現場では常に緊張しながら作業を行っています。そういった職員の精神的な負担を軽減するという意味でも、zaicoを導入できてよかったと思っています。

今後、他の部署でもzaicoを導入されるご予定はありますか?

川本:今後も似たような課題を持っている部署があれば横展開しようと思っています。日常的なものの出し入れが発生しているなど条件が合うところ、使いたいと手を上げるところがあれば、ぜひ導入を検討していきたいですね。

大変参考になるお話をお聞かせくださり、ありがとうございました!

官公庁・自治体の在庫管理にzaico

今回は、全庁的にDXに取り組まれている池田市様のzaico導入事例をご紹介しました。緊急対応の多い消防本部や上下水道部で、zaicoを使って業務の効率化が叶えられたこと、そしてクリーンセンターで一から立ち上げる在庫管理オペレーションに、zaicoを選んでいただけたことを大変嬉しく思います。

官公庁や自治体で在庫管理の業務改善を検討されている方は、ぜひ池田市様の導入事例をご参考ください。ご運用や機能についてのご相談もお気軽にお問い合わせください。