適正在庫の最新モデルは江戸時代にあった?その3

適正在庫を実現するVMIの仕組みについてこれまで

2回にわたり説明しました。

今回はサプライヤーのメリットをもうひとお伝えします。

前回の記事でもお伝えしたように、適正在庫のVMIを導入するメリットは、

発注者よりもサプライヤーに多いとお伝えしました。

 

前回は、どちらかというと表面的で分かりやすいメリットでしたが、

こちらの方が本質的なメリットです。

 

VMIを行えば、問屋側で、発注者側の在庫を把握して補充する

ことになるので発注者側の在庫や使用状況が丸わかりになります。

 

問屋は多くの発注者に商品を卸しているので、発注者の同業他社の

状況も全て把握できるようになります。その情報を活用すれば、

次のようなことが実現します。

 

  1. 商品の集約
  2. 新商品の提案

 

売れ行きが分かりますので、同じようなお客がいる発注者には、

同じような商品が売れる可能性が高いです。

たとえば、同じようなお客が来る、A社,B社,C社という業者があったとします。

 

そのうち、A社とB社は同じ商品を仕入れているのに、C社だけ違う商品を

仕入れていました。

問屋としては、C社もA社とB社と同じ商品を仕入れてもらえば、C社に卸していた

商品を仕入れる必要が無くなるので、仕入する商品点数が減ります。

また、A社とB社に卸していた商品をより多く仕入れられるので、メーカーに

対して値下げ交渉もできます。

 

2つ目は新商品の提案です。

卸売先の売れ行きが手に取るように分かるので、新商品の提案も簡単です。

お客に合った商品を提案できるので、発注者も喜んでもらえます。

 

さらに「お客さんのところに訪問する口実が欲しい」という声も良く聞きます。

営業に行きたくても、口実が無いとなかなか行きづらい・・・

というのが本音のようです。

 

VMIをしていれば、発注者の在庫の減り具合が分かりますので、

需要状況をレポートにして持って行けば、話のネタになります。

売れ行きを実際にデータで見ている小売業者は少ないので、これだけでも喜ばれます。

 

最後に最大のメリットはお客の囲い込みです。

これまでは、発注者の問屋の選択基準は、「1円でも安く卸してくれる」業者でした。

なぜなら、商品が同じなので判断基準がそれしかなかったからです。

 

VIMを導入すれば、情報を提供してくれるありがたい業者に変わります。

ただ単に商品を卸す問屋さんと、

  • 在庫は持たなくても良い
  • 商品を勝手に補充してくれる
  • 売れ行きなどのレポートまでしてくれる

どちらの問屋さんの方がメリットがあるでしょう?

 

発注者にも問屋さんにもメリットがあるVMIを導入してみませんか?

 

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