昔ながらの“どんぶり勘定”の意識を変えた。倉庫・工場・店舗の在庫を可視化し、拠点ごとの入出庫がスムーズに

会社・団体名

株式会社わた惣(株式会社ふく富グループ)

業種

小売・卸

従業員数

~50名

地域

九州・沖縄

管理物品

製品/商品 / 食品

課題

棚卸を効率化したい / 紙やExcelでの管理をなくしたい / 複数拠点で利用したい

活用機能

QRコード/バーコードスキャン / 入庫/出庫(予定)データ登録 / 保管場所登録 / 変更履歴

2025/3/12

株式会社わた惣様:在庫管理基本情報

  • 管理している物品:販売している商品と、その原料
  • 管理している品目数:約1,200品目
  • zaico導入前の在庫管理方法:在庫管理していなかった, 紙(帳簿)に記録していた
  • 利用開始:2024年
  • 利用頻度:毎日
  • 利用人数:6名
  • バーコード・QRコード利用:あり

zaico導入前に抱えていた在庫管理の課題

  • 店舗ごとの在庫数や入出庫を管理しておらず、状況の把握が困難だった
  • 棚卸に多くの時間がかかっていた
  • 棚卸差異の原因を調べるのが大変だった

zaico導入によって得られた効果は?

  • 店舗ごとの在庫数や入出庫の状況をzaicoで管理・可視化できた
  • 棚卸にかかる時間を2時間ほど削減でき、作業負担が軽減した
  • 棚卸差異の原因が、zaicoの履歴を見ることですぐに分かるようになった

株式会社わた惣様に、zaico導入前の課題から導入後の効果までを伺いました!

福岡県に本社を構え、めんたいこや干物、ドレッシングといった、全国にある珍しい食材や珍味、菓子などを販売している株式会社わた惣様。本社倉庫と原料を製品化する工場、そして製品を販売する3店舗での在庫管理にzaicoをご利用いただいています。

以前は紙帳簿で在庫管理をされていながらも、“どんぶり勘定”だったり、入出庫履歴を残さず在庫を移動させてしてしまったりといった状況がありました。その結果、棚卸に時間がかかり、正確性にも欠けるという課題をお持ちでした。

zaicoを導入し、「正しく在庫管理をする」という意識付けから業務改革を始めたわた惣様。どのようにzaicoを現場に定着させ、どのような導入効果があったのか、販売推進部の國武様に詳しくお話を伺いました!

食品原料と製品の在庫をzaicoで管理

御社の事業内容を教えてください。

國武様:当社は福岡県の老舗食料品店です。「どこにでもあるどこでもない」をコンセプトに、厳選されたお惣菜のほか、佃煮や塩辛といった珍味、乾物などを販売しています。

わた惣様で販売されているどんこ椎茸(左)、明太子(右)

zaicoで管理されている物品は?

國武様:3店舗ある実店舗で販売している「製品」と、その製品を工場で加工する前の「原料」をzaicoで管理しています。品目数はおよそ1,200点ほどです。

製品は実店舗のほか、本社に併設している倉庫と、工場でも在庫を保管し、バーコードで管理しています。原料はまだバーコードが発行されていないので、zaicoで出力されるQRコードを使って、倉庫と工場の2拠点で管理しています。

zaicoはどなたが操作していますか?

國武様:新規在庫データの登録は、本社倉庫と一部の店舗の2か所で行なっています。入出庫登録は各店舗のスタッフが行なっています。

本社倉庫・工場・店舗間の在庫移動にzaicoの入出庫機能を活用

具体的なzaicoのご活用方法を教えてください。

國武様:当社では、製品の保管場所が本社倉庫・工場・実店舗と複数あるため、拠点間での在庫の移動が頻繁に発生します。この拠点間の入出庫の管理にzaicoを活用しています。

わた惣様 拠点間の相関図(イメージ)

國武様:まず、店舗Aが外部へ原料の発注をかけます。発注品が工場に届いたら、そこで製品化されます。製品在庫はいったん本社の倉庫へ送られ、そこで入庫登録をして保管されます。

各店舗から本社へ発注書が届いたら、倉庫担当者がzaicoで出庫登録をして、店舗へ在庫を卸す分配作業を行います。各店舗へ製品が届いたら、受け取ったスタッフがzaicoで入庫登録をします。


※1:入庫データの登録方法はこちら
※2:出庫データの登録方法はこちら

國武様:拠点間で在庫の移動が発生する際も、zaicoで入庫・出庫登録をして管理しています。

※1:出庫データの登録方法はこちら
※2:入庫データの登録方法はこちら

國武様:また、各店舗での棚卸にもzaicoを利用しているほか、zaicoの入出庫履歴を使って、原価計算や予算管理なども行なっています。

棚卸にかかる時間が2時間ほど短縮され、負担が軽くなった

zaico導入前の在庫管理方法は?

國武様:ノートやExcelを使うこともありますが、あまり厳密な在庫管理はできていませんでした。
わた惣はもともと明治初期に創業した老舗の乾物屋で、当時から購入品だった昆布などの乾物や、催事に使う進物品を扱う商店でした。店舗経営にも、昔ながらのやり方や“どんぶり勘定”の文化が色濃く残っていたんです。在庫管理は、数の正確性よりも「店頭で欠品しなければいい」という感覚でした。

zaicoを導入することで、曖昧だった記録の徹底や、在庫管理の正確性の担保を、今まさに進めているところです。

zaico導入前の課題・トラブルは?

國武様棚卸の作業負担が大きいことが課題でした。以前は、毎月各商品の在庫数を紙に書き、手作業で在庫を数えて、差分の有無を確認していました。時間も手間もかかりますし、正確性が低いことも問題でした。

zaico導入によって課題は解消されましたか?

國武様:zaicoを導入してからは、QRコード・バーコードスキャンや、zaicoから出力できるCSVデータを使って棚卸をする方法に変わり、1〜2時間ほど作業時間を短縮することができました。手書きが少なくなったので、現場の体感として負担は相当軽くなったと思います。このままzaicoの運用を浸透させて、さらにアナログ作業を減らせるようにしたいです。

國武様:また、以前は棚卸後の報告も、紙でFAXを所属長に送って報告していました。zaico導入後はオンラインで報告できるようになったので、実棚作業だけでなく、一連の棚卸業務の利便性や効率性が上がっています。

zaicoを使った棚卸のやり方は?

國武様:製品化されたものに関してはバーコードが発行されるので、棚卸の時はバーコードをスキャンして在庫データを呼び出し、数を入力するという流れです。

製品化する前の原料にはまだバーコード(JANコード)が発行されていないので、zaicoで出力したQRコードを貼ったカゴに入れて保管しています。棚卸の際は、カゴのQRコードをスキャンして在庫数を入力しています。

スマホで簡単に操作でき、現場への定着もスムーズだった

店舗へのzaico導入はスムーズでしたか?

國武様:zaicoは操作画面もわかりやすく、親しみやすいアプリなので、導入に対して反対意見はありませんでした。実は店舗を管理している課長が最初は少しネガティブだったのですが、いろいろな条件で絞り込み検索ができることや、在庫データをCSVファイルで出力できることなどを伝えると、徐々に前向きになりました。
そして気づけば、課長自らzaicoでCSVデータをダウンロードしていました(笑)。

課長様にも、zaicoの導入効果は感じていただけていますか?

國武様:はい。以前は、各店舗からFAXで届く棚卸報告書を、課長がExcelに手入力するという手間が毎月発生していました。zaicoで在庫管理や棚卸をするようになってからは、Excelへの手入力が不要になったことに加え、インターネット環境さえあれば、事務所の外にいても作業ができるようになったんです。

zaicoの利便性や、zaico導入による作業負担の軽減を一番実感しているのは、もしかすると課長かもしれません。

各店舗へはどのようにしてzaicoを使った運用を定着させたのでしょうか?

國武様:スマホで「ピッ」と読み取るだけで入出庫登録ができるので、従来のようなノートへの記入は不要になりますよ。間違った時のデータ修正も簡単にできますよ。とお伝えして、「まずは使ってみてください」とzaicoアプリを入れたスマホを配布しました。

店舗スタッフは40〜50代の女性が多く、中にはパソコンの使用経験がない方もいます。そういった環境において、スマホで簡単に管理できるzaicoは導入しやすいと感じていましたし、実際に現場の皆さんはすぐにzaicoを使った運用に適応できていました。

今はスタッフ全員にzaicoの編集権限を付与することで、在庫管理に自主的に関わってもらえるように協力をお願いしています。みんな使い方でつまずくこともなく、自発的にzaicoで他店舗や倉庫の在庫を確認し、入庫依頼をするといった運用をしてくれています。

在庫ズレの原因を追える「変更履歴」が便利。今後は発注タイミングもより適正化したい

zaicoで特に便利に感じていただけている機能は?

國武様:「変更履歴」がすごく助かっています。棚卸などで在庫数が合わない時に、なぜ数がズレてしまったのか、原因を追求しやすくなりました。

今後はどのような管理・運用をしていきたいですか?

國武様:正確な在庫管理をする、という意識づけを全社的により徹底したいので、これからさらに発注タイミングの可視化、適正化を図りたいと思っています。

当社では、本社倉庫や工場で保管する原料や冷蔵商品の発注を、本社ではなく一部店舗が行なっています。店舗でzaicoを見て在庫状況を確認し、タイミングを見計らって原料や冷蔵商品のストックを外部に発注しているんです。
この発注タイミングが、現状は担当者のさじ加減になっているので、今後は発注点アラートなどを使ってより厳密に、適切に数値管理していきたいと思います。

設定した発注点に達するとアラート表示される「発注点アラート機能」

國武様:また、「単位換算機能」も活用したいと思っています。
わた惣は、業務用のお惣菜などを仕入れ、当社の規格に合わせて小分けに詰め替えて販売をしています。そのため、仕入れ段階では「キロ」単位で入庫し、製品に詰め替えた後は「個」単位で出庫したいものがあります。

zaicoの単位換算機能を使えば、例えば「100グラム=1パック」と単位換算を設定できるので、何グラム残っているからあと何個分の商品が作れる、といった判断がすぐにできるようになります。原料の残量も分かりやすくなり、手間なく正確な在庫管理ができると期待しています。

大変貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

お惣菜や食品原料の在庫管理にzaico

今回は、お惣菜など食品の在庫管理にzaicoをご利用いただいている株式会社わた惣様の導入事例をご紹介しました。
本社倉庫、工場、店舗と、複数拠点にわたる在庫の移動や店舗での棚卸にzaicoの機能を活用し、現場の作業負担や棚卸の効率化、コストの削減に取り組まれています。

なお、zaicoは食品の賞味期限を管理することができる期限アラート機能や、効率的なロット管理を叶えるバリエーション機能も備えております。食品の在庫管理システムを探している方、棚卸に関する課題をお持ちの方はぜひご参考ください。