医薬品を扱っている場合も、棚卸作業は必須です。
医薬品は常に在庫を用意しておくべきものであり、在庫切れが起きていないか、品質や期限は保たれているかなどを把握するためにも、棚卸は行われます。
しかし、医薬品は特殊なものなのでそのほかの一般的な商品とは注意すべき点や棚卸作業の進め方に違いが生じる場合があります。
医薬品の棚卸作業はどのように進めるべきなのか、医薬品の棚卸を進める方法やポイントについて確認していきましょう。
医薬品の棚卸とは?
医薬品の棚卸は、以下の項目を確認する作業です。
- 在庫数と在庫管理の数はあっているか
- 有効期限は短くないか
- 管理の仕方が不適切でないか
医薬品は、薬の種類によっては在庫不足だと利用者の身体に影響する危険があったり、有効期限が切れていたり、品質が損なわれていれば大きな問題に発展してしまいます。
医薬品の棚卸も、ほかの棚卸と同様に在庫管理表と比較しながら行います。
在庫管理に間違いがないか確認するだけではなく、在庫として残しておく医薬品自体に不備がないか確認することも大切です。
医薬品は心身に直接的に作用するものなので、医薬品の棚卸作業には大きな責任感や正確性が求められます。
医薬品を棚卸する目的
どのような目的で医薬品の棚卸は行われるのでしょうか。
医薬品の棚卸をする目的について確認していきましょう。
品質や期限を管理するため
医薬品は適切に保管されていなければ、効力を失ってしまうものもあったり、医薬品ごとに求められる保管方法が異なる場合があります。
また、医薬品には使用期限が設定されているものもあるので、在庫品の使用期限を管理するためにも棚卸が必要になるでしょう。
医薬品の場合は特に安全であり、効果を発揮できる状態のものを提供する必要があるので、品質や期限の適切な管理が求められます。
医薬品の棚卸で品質が悪いものを発見できれば、破棄をする必要があると同時にリスク回避にもつながります。
期限切れのものを発見した際も同様になりますし、その分を追加で発注するなどの対応も必要になるので、品質や期限を管理することで在庫の適正化にもつながります。
在庫状況を把握するため
棚卸作業自体には在庫の状況を確認する目的が含まれています。
医薬品の棚卸をする際も同様で、在庫の状況を見直すことが棚卸の目的です。
調剤薬局の場合、処方箋などの医薬品は在庫不足だと患者に影響してしまう場合があります。
ドラッグストアの場合も同様で、医薬品を欲している人が迅速に購入できないと、病状が悪化してしまうことも考えられるでしょう。
緊急事態のときに駆け込み、ドラッグストアや調剤薬局で医薬品を調達する人も多いからです。
また、病院では常に医薬品が必要とされており、在庫不足がないように管理することが求められます。
このように、困る人が出ないように、在庫状況を確認することが医薬品の棚卸の目的です。
売り上げの計算をするため
医薬品の棚卸をすることで、売り上げの計算ができます。
在庫として残っている数が多い医薬品は売れ残っているため売り上げが少ないですが、在庫として残っている数が少ない医薬品は売れている医薬品なので、売り上げが高いです。
どの医薬品がどれくらい需要があるのか計算することもできますし、棚卸をすることで簡易的な売り上げの計算もできます。
どのような形態で医薬品を販売していたとしても売り上げの計算は大切です。
このように棚卸作業は、売り上げの計算をするためにも使われるので、正確に作業することが求められます。
適切な納品数を計算するため
棚卸作業を行うことで、どの医薬品がどれくらい需要があるのか確認することができます。
その結果、適切な納品数を計算することができるでしょう。
適切な納品数が分からないと、在庫が残ってしまう医薬品を納品することになり、無駄が生じてしまいます。
また、本当に求めている人の手に充分な数の医薬品が渡らず、需要を満たすことができなくなるでしょう。
適切な納品数を計算することは売り上げを上げるだけではなく、需要を満たすことにも繋がります。
医薬品の場合でも需要を満たすことで、適切な対応や売り上げにも寄与するので、しっかりと適切な納品数を計算できるように棚卸が必要です。
医薬品の棚卸を進める方法
医薬品の棚卸は、どのように進めていけば良いのでしょうか。
医薬品の棚卸を進める方法について確認していきましょう。
棚卸のタイミングを決める
棚卸をするタイミングを決めてから棚卸作業を行いましょう。
たとえば、月末に行うのか月初めに行うのか、タイミングを決めることで物流の流れを把握することができます。
月によって棚卸のタイミングを変えてしまうと、適切な管理ができませんし、間違いや不備を見つけるのも難しくなるでしょう。
たとえば、以下のようにタイミングを決めておくといいかもしれません。
- 1年に1回する場合、年度末や年末に行う
- 月に1回する場合、月末か月初め
- 月に二回する場合、2週間ごとに行う
棚卸は在庫管理のまとめのような作業なので、店舗によって行う頻度は異なるかもしれません。
頻度が異なる場合であっても、タイミングの時期を揃えることで適切な管理を行えるでしょう。
チーム編成をする
棚卸作業は店舗によっては膨大な量になる恐れもあります。
量が多いと一人で作業を進めるのは困難な場合があります。
そのため、スムーズに棚卸作業が進められるように、チーム編成をして分担しながら作業を進めるのも良いでしょう。
チーム編成の場合、誰がどの業務を担当するのかあらかじめ決めることが大切です。
たとえば、医薬品の種類ごとに作業分担したり、業務内容ごとに分担するといいかもしれません。
具体的な例としては以下の通りなので、参考にしてみてください。
- 医薬品の種類ごとに棚卸の作業自体を分担する(例えば風邪薬、鎮痛剤、貼付剤ごとに人を編成するなど)
- 棚卸の作業ごとに人を分担する(例えば、数える人、記録する人、在庫管理表と比較する人など)
どのような編成が進めやすいのか模索しながらチーム編成することが大切です。
現状の在庫管理を把握する
棚卸作業を進める前に、現状の在庫管理を把握した上で進めましょう。
現状の在庫状況を把握した上で棚卸作業を進める方がスムーズに作業が進みますし、棚卸作業で確認すべき事項も少なくなるので負担が減ります。
棚卸作業の量が多ければ長引く恐れもありますが、医薬品はすぐに必要としている人に行き渡るようにしなければなりません。
そのため、現状在庫状況がどのような数になっているのか、有効期限や在庫状況などを把握した上で、棚卸作業を進める優先順位を決めて進めていくことが大切です。
在庫管理と照合しながら棚卸作業を進める
在庫管理表と比較しながら棚卸作業を進めることで、スムーズに作業が進みます。
基本的に、棚卸作業は在庫管理と同じ様なものであり、とくに在庫管理と差異がないか確認することが大切です。
在庫管理表と実際の数や内容を確認していくことで、間違いがあった場合もすぐに発見することができるでしょう。
このように、棚卸作業では、在庫管理表に間違いがないか確認することも目的とされています。
棚卸作業が終わったあとに確認するのではなく、棚卸と同時並行で進めながら確認作業をすることで、スムーズに作業が終わるでしょう。
期限を決める
棚卸作業を進める場合は、いつまでに棚卸を終えるのか期限を決めることも大切です。
期限を決めなければ長引く恐れもありますし、いつまで経っても棚卸が終わらず、業務が滞る恐れもあります。
例えば一週間以内に終わらせることを決めることで、無駄のない作業を進めることができるでしょう。
期限が無ければだらだらと作業を進めることになるので、あらかじめ期限を決めた上で計画を立てて棚卸作業を進めていきましょう。
医薬品の棚卸を効果的に進める方法やポイント
医薬品の棚卸を効果的に進める場合、どのようなポイントがあるでしょうか。
医薬品の棚卸を効果的に進める方法やポイントを確認していきましょう。
デジタルツールを導入する
棚卸作業を円滑に進めるためにも、デジタルツールを導入してみましょう。
デジタルツールを導入することで、確認事項の確認や確認漏れがないかなどを見つけることができます。
また、在庫管理からデジタルツールを導入していれば、1画面内で棚卸と在庫管理を見比べながら作業を進めることもできますし、ミスを見つけるのも簡単です。
アナログで作業している場合は記載時にミスが発生している場合もありますし、記載漏れがある場合もあるでしょう。
しかし、デジタルツールであれば記載漏れなどの不備があった場合エラーが表示されるので、事前に気づくことができます。
不備のない管理表を作ることが棚卸作業には求められるので、デジタルツールを導入し少しでもスムーズに進めていきましょう。
日頃の在庫管理から徹底する
棚卸作業を進める際は、在庫管理表を見比べながら行います。
在庫の数があっているか在庫管理表を見ることもあり、もしも在庫の数があっていない場合、在庫管理が間違っているのか棚卸作業にミスがあったのか、どちらなのかが分かりません。
在庫管理にミスがあると再度在庫管理をやり直す必要も出てくるでしょう。
そうなると、棚卸作業だけでなく在庫管理の見直しも必要となり、さらに時間がかかってしまいます。
そのため、日頃から在庫管理を徹底することが大切です。
在庫管理を徹底するためには、ルールを作ったりデジタルツールを導入したり、さまざまな方法があります。
全員が正確に在庫管理できる方法を模索し、ミスが発生しにくい環境を整えることも大切です。
バーコードやQRコードを使う
バーコードやQRコードを使うことで、スムーズな棚卸作業が可能です。
在庫を見ながら確認し記入していくことも大切な作業ではありますが、量が多いと時間もかかりますし、なによりもミスを誘発してしまいます。
しかし、人の手によって記入する作業を減らせば、ミスの数も減りますしスムーズに進めることができるでしょう。
バーコードやQRコードを利用する場合は、以下の方法があります。
- Excelで作成する
- デジタルツールを導入する
適した方法か考えた上で、バーコードやQRコードを利用してみましょう。
医薬品の棚卸を効率よく進めたいならzaico
医薬品の棚卸は、食品や生活用品などの棚卸とは異なり、確認すべき事項や責任の重さも異なります。
有効期限が切れていないか、在庫数は足りているのかなど、細かく確認することが大切です。
このような医薬品の棚卸には時間がかかったり不備が起きてしまいがちなので、少しでもミスを減らしてスムーズに作業を進めるためにもデジタルツールの導入を検討してみましょう。
デジタルツールを導入して医薬品の棚卸作業を進めたい場合は、「クラウド在庫管理システムzaico」をご検討ください。
zaicoは、クラウドで管理できる在庫管理システムで、記載事項などのカスタマイズが出来たり、期限管理や発注点管理、バーコード管理などもできます。
管理したい方法を自由に選択した上で棚卸作業を進めることができるので、円滑に作業ができるでしょう。
zaicoを利用して実際に医薬品の棚卸作業をしている事例もあり、病院や薬局など医薬品の在庫管理や棚卸に利用されております。
医薬品の棚卸を効率化したい、在庫管理システムを利用した医薬品の管理をお考えの場合、お気軽にzaicoにご相談ください。