物品管理をエクセルでしているケースは少なくありませんが、エクセルにはデータ処理の遅さや誤入力のリスクが高いなど、デメリットも存在します。
物品管理をエクセルでするメリット・デメリットはどのようなものなのでしょうか。
物品管理をエクセルでするポイントと物品管理をエクセルでより適切にするにはどうすればいいかを確認していきましょう。
物品管理はエクセルで出来る?
物品管理にエクセルを活用することは珍しいことではありません。
簡単な表を作成して管理するという程度であれば、エクセルで物品管理をしても問題がないことも多いでしょう。
しかし、物品の量が多かったり、細かい管理や頻繁な動きがあるような物品管理をする場合はエクセルでしないほうがいいかもしれません。
エクセルは、物品管理専用のツールではなく表計算ソフトですので、物品管理に必要な高度な機能が備わっていなかったり、処理能力に限界があったりします。
エクセルは有用なツールですが、物品管理にエクセルを使用する際はエクセルで十分かどうかをしっかりと検討する必要があるでしょう。
物品管理をエクセルでするメリット
物品管理にエクセルを使用するメリットはあるのでしょうか。
物品管理をエクセルでするメリットを確認していきましょう。
初期コストが低い
エクセルはPCに標準搭載されていることが多く、導入コストがかかりません。
新しくインストールする場合でも、費用は数万円程度で済みますし、追加費用を気にする必要がほとんどありません。
しかし、専用のシステムを導入する場合には、初期費用やランニングコストが発生します。
費用面においてはエクセルの方が格段に安く済むため、特に事業を始めたばかりの企業や個人事業主にとっては、初期投資を抑えられる点が大きなメリットといえるでしょう。
カスタマイズしやすい
エクセルは、高度な機能を備えた表計算ソフトです。
物品管理に必要な項目やレイアウトを自由に設計できたり、テンプレートを活用すれば基本的なフォーマットはすぐに作成できたりします。
さらに、詳細な情報や分析機能を追加することも可能です。
自社の業務内容や規模に合わせて、柔軟にカスタマイズできる点がエクセルの強みです。
基本的な操作が簡単である
基本的な操作方法さえ理解すれば、エクセルは誰でもすぐに使いこなせるツールです。
複雑なマニュアルを読む必要がなく、直感的に操作できるため、パソコン初心者でも安心して利用できます。
また、インターネット上には、エクセルの使い方に関する情報が豊富に存在するため、困ったことがあればすぐに解決策を見つけることができるのもメリットといえるでしょう。
他のツールやシステムと連携できる
エクセルは、他のツールやシステムと連携させることも可能です。
たとえば、バーコードリーダーや在庫管理システムと連携することで、データ入力の手間を大幅に削減することができます。
また、マクロ機能を活用すれば、繰り返し行う作業を自動化することも可能です。
このように、他のツールと組み合わせることで、より効率的な物品管理を実現することがエクセルでもある程度はできる部分もメリットといえるでしょう。
物品管理をエクセルでするデメリット
物品管理をエクセルでするデメリットはないのでしょうか。
物品管理をエクセルでするデメリットを確認して、エクセルの使用が適切かどうかを検討してみましょう。
データ量が増えると処理が遅くなる
エクセルは、データ量が多くなると処理速度が遅くなり、動作が不安定になるという問題があります。
特に、複数の部門や拠点で物品管理を行う場合はデータ量が増えやすく、検索や更新などの操作に時間がかかるようになります。
また、複雑な計算や分析が必要となる場合も、処理速度が遅くなり、作業効率が低下します。
誤入力やデータの紛失リスクが高い
エクセルへのデータ入力は手入力によっておこないます。
そのため、誤入力やデータの二重入力などの人的ミスが発生しやすいという問題があります。
ファイルの保存を忘れたり、誤ってファイルを削除したりしたことで、データが失われてしまうこともあります。
これらのミスは、在庫管理の誤りや伝票処理のミスなどにつながるものであり、場合によっては業務に大きな支障をきたすリスクがあります。
リアルタイムの更新が難しい
エクセルは、基本的には手動で更新を行うため、リアルタイムの更新が難しいという問題があります。
特に、複数人で同時に物品を使用している場合や、複数の拠点で在庫管理をおこなっている場合、在庫状況が常に最新の状態に更新されていないということが起こり得ます。
情報に遅延が生じることで、発注漏れや在庫切れなどの問題が発生する場合があるのは、物品管理をエクセルで行うデメリットといえるでしょう。
セキュリティ対策が不十分な場合がある
エクセルは表計算ソフトであり、セキュリティ対策機能が十分ではありません。
厳重なパスワード設定やファイル暗号化などの対策を講じなければ、情報漏洩などのリスクを防ぐことができません。
特に、社外秘情報や個人情報を含む物品を管理している場合は、独自にセキュリティ対策を強化する必要があります。
事業拡大に対応するのが難しい
エクセルはデータ量や機能が増えると処理速度が遅くなったり、エラーが発生しやすくなったりするなど、スケーラビリティが低いという問題があります。
そのため、事業規模の拡大や業務内容の変化に対応するのが難しくなります。
また、複数人で同時に編集を行うと、データの競合が発生することがあり、事業拡大によって使用者が増えた場合には、エクセルでの物品管理に限界を感じる場面も少なくありません。
物品管理をエクセルでする際は小規模であったり、簡単な物品管理をする程度の前提で考えていたほうがいいかもしれません。
エクセルを使った物品管理を効率化するには?
エクセルを使った物品管理を効率化するためにはどうすればいいのでしょうか。
エクセルを使った物品管理を効率化するポイントを確認していきましょう。
関数やマクロを活用して自動化する
エクセルには、データ処理を自動化できる関数やマクロと呼ばれる機能が搭載されています。
これらの機能を活用すれば、データ入力や計算、レポート作成などの作業を自動化することが可能です。
たとえば、SUMIF関数を使えば、特定の条件に合致するデータの合計値を自動的に算出したり、マクロを使えば、繰り返し行う作業をボタン一つで実行したりすることもできます。
知識が必要になることはありますが、これらの機能を上手に活用することで時間と労力を節約し、作業効率を大幅に向上させることができます。
定期的なデータの整理を行う
エクセルファイルを長く使用していると、不要なデータや重複データが増えて、ファイルが重くなったり検索や更新作業が遅くなったりする場合があります。
そのため、定期的にデータの整理を行うことが重要です。
具体的には、以下の作業を行うことをおすすめします。
- 不要なデータや重複データを削除する
- 使用していないシートや列を削除する
- データを整理して見やすくする
これらの作業を行うことで、エクセルファイルの処理速度や作業効率が改善されるでしょう。
クラウドストレージと連携する
エクセルファイルをクラウドストレージに保存することで、場所や時間に縛られずにファイルを共有したり編集したりすることができます。
たとえば、Googleドライブなどのクラウドストレージサービスを利用すれば、複数人で同時にファイルを編集したり、外出先でもファイルを閲覧したりできるようになります。
また、クラウドストレージには、自動同期機能やバージョン管理機能などの便利な機能が搭載されているため、データの紛失リスクを軽減することができます。
専用の在庫管理ツールと併用する
エクセルはあくまでも表計算ソフトであり、本格的な物品管理機能は備わっていません。
そのため、ある程度の規模の物品管理を行う場合は、専用の在庫管理ツールと併用することをおすすめします。
専用の在庫管理ツールには、以下のような機能が備わっています。
- バーコードスキャンによる入出庫管理
- ロット管理
- 賞味期限管理
- レポート作成機能
専用の在庫管理ツールでこれらの機能を活用すると、在庫管理の精度を高め、業務効率をさらに向上させることができます。
効率的な物品管理はエクセルより「zaico」
物品管理をさらに効率的にしたいという場合は、エクセルでは限界があります。
また、エクセルを使用し続けることで、デメリットが目立つように感じることは少なくありません。
物品数が多かったり複数拠点での管理が必要であったりする場合は、効率化のために在庫管理アプリ「zaico」をご活用ください。
zaicoを利用すれば、出庫処理時間や在庫確認時間などの大幅な削減が可能です。
業務効率化につながる機能を多数搭載しており、エクセルとの連携や移行も可能ですので、エクセルの物品管理を効率化させたい場合やエクセルから在庫管理システムを導入したい場合は、zaicoにお気軽にご相談ください。