属人化の原因とは?業務の属人化が起きてしまう原因と解消する方法

属人化が進むと、担当者の業務負荷が増したり、業務が停滞・遅延したりするおそれがあるため、できるだけ早く解消しなければならない問題です。

しかし、その場しのぎ的な対策では、属人化の風土は解消はされず、また別の業務が属人化してしまうだけになる場合があります。

属人化の解消で重要なのは、業務の属人化が起きる原因を突き止め、正しい対策をとることです。

属人化が起こる原因と、原因別の解消方法について確認していきましょう。

業務の属人化には原因がある

そもそも、属人化とはどのような意味を持つ言葉なのでしょうか。

属人化の意味や対義語をおさえたうえで、属人化の原因について考えていきましょう。

「属人化」とは、業務内容の詳細や業務手順、業務の進捗などが、特定の従業員にしかわからない状態のことを指します。

例えば、特定の従業員が休んだり、退職したりした場合に進められなくなる業務があるのなら、その業務は属人化しているといえるでしょう。

また、属人化に似た意味を持つ言葉に「ブラックボックス化」というものもあります。

ブラックボックス化という言葉は、古くから科学やプログラミングの分野で使われてきましたが、分野を超えて使用されるようになった現代では、黒い箱の中で業務が行われているかのように詳細がわからず誰も手が出せない状態、という意味で使われます。

属人化の原因を解消し目指すべきは「標準化」

属人化の対義語は「標準化」といい、どんな従業員でも同じ品質で業務の成果があげられる状態になっていることを指します。

もっともイメージしやすい手法は、業務マニュアルでしょう。

標準化が進めば、新人育成のバラつきをなくすことや、属人化による業務停滞のリスクが避けられるため、特に中〜大規模の企業から注目されています。

しかし、属人化の原因を根本的に解消しなければ、標準化は浸透しません。

属人化が起こる原因を突き止め、対策を講じることによってはじめて、標準化が進むのです。

属人化の原因:組織による属人化の原因

業務が属人化する原因は、組織による原因、担当者による原因、そして仕組みによる原因の大きくわけることができます。

まずは、業務が属人化する原因が組織にある場合をみていきましょう。

業務の専門性が高い

業務は、専門性が高ければ高いほど属人化しやすくなります。

高いスキルや豊富な経験を持つ従業員の数は、限られているからです。

また、専門性の高い業務をこなすことができる人材の採用や、相応のスキルを習得させるための教育が難しいことも、属人化を加速させる要因になっている場合があります。

標準化をしても評価されづらい

属人化の解消は、たくさんの従業員を巻き込まなければ進めることはできません。

つまり、属人化に問題意識を持った従業員が行動を起こしたとしても、職場全体の改善にはほど遠く、中途半端な結果に終わることも少なくないのです。

また、標準化は効果を実感するまでに時間がかかるため、標準化を進めた従業員がすぐに評価されることは少なく、属人化の解消が後回しにされてしまうこともあります。

属人化の原因:担当者による属人化の原因

業務が属人化する原因が担当者にある場合をみていきましょう。

情報共有をする余裕がない

業務が多忙を極めると、情報共有をするほどの余裕がなくなる従業員が増え、属人化が進んでしまいます。

自分だけで業務を完結させた方が早いと考え、行動する従業員もいることでしょう。

情報共有は優先度が低い業務に位置付けられやすいため、少しでも怠る人がいると、知らぬ間に属人化は進んでいきます。

属人化を解消するメリットがない

属人化を解消するメリットが従業員にないということも、属人化の原因のひとつといえます。

自分にしかできないことがあれば、自分の会社でのポジションは守られます。

しかし、特に成果主義の会社などでは、標準化が進むことで従業員が今のポジションを保てなくなるおそれもあるのです。

属人化を解消しても大きな評価には繋がらないうえ、自身の優位性が維持できなくなるかもしれないのであれば、属人化しているままの方が得と考える従業員が生まれるのも自然なことなのかもしれません。

属人化の原因:仕組みによる属人化の原因

業務が属人化する原因が会社の仕組みにある場合をみていきましょう。

業務マニュアルがない・古い

教える人や教え方によって、物事の印象が変わることは決して珍しいことではありません。

つまり、業務マニュアルがなかったり、あってもずっと更新されていなかったりすると、業務の進め方は人づてに共有されることになり、属人的になってしまいます。

また、業務マニュアルがなければ、伝言ゲームのように情報が歪曲されて伝わってしまうおそれもあります。

情報共有のツールが使いづらい

情報共有のツールは、ビジネスチャットツールや表管理ソフト、手書きの日誌、ホワイトボードなど企業によってさまざまです。

しかし、ツールに使いづらさを感じていたり、使いこなせていなかったりする従業員がいると、情報共有がおろそかになり、属人化が進む要因になりかねません。

また、情報共有のツールが複数あり、共有ルートが一本化されていない場合は、情報が錯綜しやすくなり、うまく情報が共有できなくなることもあります。

属人化の原因別に解消方法を考える

業務が属人化する原因を、組織による原因、担当者による原因、仕組みによる原因にわけてご紹介しましたが、これらの属人化はどうすれば解消できるのでしょうか。

属人化を解消する方法を原因ごとに解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

全ての原因の解消方法:属人化の状況を確認する

まずは、業務の洗い出しや作業時間など、現状を把握するところから始めましょう。

確認は、従業員へのヒアリングや、実際に作業時間を測ってデータ化してもらうのが一般的です。

誰がどの作業にどれくらいの時間をかけているのかが数値化できれば、業務の偏りが見えてくるはずです。

組織に属人化の原因ある場合:担当者を増やし業務を分散する

属人化の原因が組織にある場合は、業務の担当者を増やし、業務負荷を分散させるという手があります。

たとえば、顧客ごとに営業担当者を1名つけていたところを主担当1名・サブ担当複数名に変更し、顧客からの細かな質問などをサブ担当が受け答えすることで、営業担当者が営業に集中できるようにするなどがその例です。

担当者が増えるということは、進捗状況や業務の進め方を把握している人が増えるということですので、属人化によるリスクは軽減します。

複数の従業員が連携して業務を行うことで、業務の品質アップにも期待が持てるでしょう。

担当者に属人化の原因がある場合:情報共有を促す

担当者の情報共有不足に原因がある場合は、上司が情報共有を促す必要があります。

しかし、なかには、きちんと共有したい気持ちはあるのに気がついた時には終業時間がきてしまい、結局共有できずじまいになってしまっているという従業員もいるはずです。

頭ごなしに情報共有を促すのではなく、終業5〜10分前には全ての手を止めて情報共有をするだけの時間を作ったり、必要であれば担当者を増やし業務を分散したりするなど、状況に合わせて策を講じましょう。

仕組みに属人化の原因がある場合:業務をマニュアル化して運用する

あらゆる業務が属人化してしまっている企業は、仕組みから作り直す必要があります。

真っ先に行いたいのは、業務マニュアルの作成です。

もし、通常業務と並行しながらのマニュアル作成が難しそうであれば、マニュアル作成担当者を設け、マニュアルの作成に集中してもらうようにしましょう。

なお、業務マニュアルは作って終わりにはせず、きちんと管理・運用するルールまで設定することが重要です。

仕組みに属人化の原因がある場合:情報共有しやすい環境を整える

情報共有が仕組み化されていない企業は、従業員全員が情報を共有しやすくなるように環境を整えましょう。

特に、社外や店外にいるメンバーと連絡を取ることがあるのであれば、ビジネスチャットツールの導入がおすすめです。

高年層の従業員がいる場合は、導入時、全従業員向けの使い方のレクチャーがあると親切でしょう。

挨拶や業務日報などを通してコミュニケーションを活発化させるだけでも、情報共有をしやすい環境を作ることはできます。

仕組みに属人化の原因がある場合:SaaS型のサービスを導入する

SaaS型のサービスとは、インターネットを経由してクラウド上にあるソフトウェアを利用できるサービスのことです。

ビジネスチャットツールをはじめ、会計ソフト、名刺管理ソフトなど、さまざまなサービスが台頭しています。

SaaS型のサービスのメリットは、コスト面・ハード面での導入のしやすさや、複数人で行う業務の効率が上がることによってコスト削減ができることです。

気になる方は、ぜひ自社の属人化を解消できるであろうSaaS型のサービスを探してみてください。

在庫管理の属人化の原因の解消にzaico

属人化の原因は、組織による原因、担当者による原因、そして仕組みによる原因の大きくわけることができます。

原因を明確にし、ひとつずつ対処することが属人化解消の第一歩になりますので、属人化に悩む企業は、自社の属人化の現状を把握するところから始めてみましょう。

在庫管理の属人化に悩んでいるのなら、クラウド在庫管理アプリ・zaicoがおすすめです。

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物品のバーコードをスキャンするだけで在庫データに登録できる機能や、発注が近づくとアラートでお知らせしてくれる便利な機能もあります。

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