在庫管理アドバイザーの岡本です。
前回は、zaicoを使って在庫精度(棚卸差異)を見る方法をお伝えしました。
今回は、在庫精度を見る際の注意点をお伝えします。
会社で在庫精度(棚卸差異)を計算している場合、
棚卸差異率は○○%でした。
という報告をしていると思います。
皆さんは特に違和感が無いと感じると思いますが、
私はとても違和感を感じます。
その際は本当の在庫精度なのでしょうか?
例えば、
- データ上100個の在庫が、実際に数えてみると105個 差異率+5%
- データ上100個の在庫が、実際に数えてみると95個 差異率-5%
これは、全データで見ると、
データ上の在庫200個 実際に数えた在庫数200個(105+95) 差異率 0%
データを合算すると、差異が消えました・・・
この例からも分かるように、データを合算すると正しい差異が見えなくなる
ということです。
仮に、差異率0%になったとしても、それが本当かどうかは極めて怪しいといえます。
では、どうすればよいのでしょうか?
それは、差異率を損・益でそれぞれ算出することです。
損とは、データ上の在庫数よりも、実際に数えた数が少ない場合( データ上100個 数えた数95個)
益とは、データ上の在庫数よりも、実際に数えた数が多い場合( データ上100個 数えた数105個)
損になった在庫のデータと数量を合算して、損全体の差異率を算出。
益になった在庫のデータと数量を合算して、益全体の差異率を算出。
こうすることで、会社としての在庫精度の本当の実力が分かります。
ある会社では、合算した棚卸差異率が4%と低い数字でした。
しかし、それを損益別々にしてみると、
損:10%
益:14%
という衝撃の数字でした。これは本人たちもとても驚いていました。
皆さんの会社でも在庫精度を一度、損・益別々で計ってみてください。
今までの在庫精度が本当か、それとも数字のマジックだったかが簡単にわかります。
在庫の精度が全然上がらない、在庫の精度を上げたい。
棚卸に時間がかかりすぎている・・・
zaicoを使って真の業務改善に取り組みたい!
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